◆ケール・スウィンガール・ヴェン・プラ・カ
(写真はJ-Waveサイトより https://www.j-wave.co.jp/blog/saude/carnaval2023/)
おずおずと物事が蠢き始めていた2023年2月11日。啓蟄を前に這い出るムシの気分で「サウージ・サウダージ カルナヴァル」を観戦。リオでのストリートパレード経験ももつ、マシュー隊長率いるブロコ、Quer Swingar Vem Pra Cá(スイングしたけりゃ、こっちにおいで)チームの真正豪快バテリーア(※サンバ打楽器隊)アンサンブルの精緻さと迫力に、完全ノックアウト! 呆けたように笑いがこみ上げ、ついマスクずらしてビール…の杯数がかさみ、初コロナ感染のオマケまでついちまったのだが、今思い出すだに胸が震える。
そういやこの会場、四半世紀ほど前にブラジル北東部バイーア発のチンバラーダ精鋭部隊を迎えた際も超満員。かなりヤバい酸欠状態で、かぶりつきおねーちゃんらの行状がとろけて怪しくなっておったげな。なかなか煙草に火がつかんかったことも忘れられん(※当時は場内で吸えた…)。いかなる時代にも“換気”は一番大事なんす。
◆Tango Querido主催「ブエノスアイレスのマリア」
総じて実り多きライブに遭遇できた一年だったと思うが、白眉は師走の舞台「ブエノスアイレスのマリア」12月15日@座・高円寺2! ライブ録音に刻まれた2021年12月初演版(2023年1月22日CD発売)、CD発売記念を祝し2023年5月に行われた再演。いずれもナマを見損ねてしまったので、今度こそと勇み駆けつける。
1968年初演「ブエノスアイレスのマリア」は、アストル・ピアソラ作曲、オラシオ・フェレール作詞の有名な小オペラ。発表当時は興行的成功とは無縁だったが、「ジャンルを越えてロック等の音楽人たちが評価した…」と、初演時の“マリア役”歌手アメリータ・バルタールが来日中に語っていた。
異形の歴史的作品と真摯に向き合い、見事な集中力と情熱をもって舞台を作り上げたのがバイオリニストの柴田奈穂。すぐれたキャストたち渾身のパフォーマンス、後背に映る字幕訳詞(&訳詩)の的確さ等々、とにかくすべてにおいて完成度が高い。
百聞は一見に如かず! 当夜の公演アーカイブが2024年1月14日まで有料配信中。全訳のPDFダウンロードデータ特典付き視聴料3,000円。
https://maria-de-buenos-aires-2023.peatix.com/
また、ピアソラがスランプから脱却したきっかけとなった特異な当作品における楽曲の暗喩を、柴田菜穂さん自身が聖書からの引用を紐解きながら綴るFacebookの読み物は必見。作品の意味を知るための重要ヒントとなるはずなので、一読をお薦めしたい。
https://www.facebook.com/nahovn
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