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路上の音楽:ペルーに生きる物売り歌プレゴン

2014.10.03

 スペイン語圏には、プレゴンと呼ばれる物売り歌の伝統がある。日本の焼き芋屋や竿竹屋の物売り歌と似たものだと言えばイメージしやすいだろうか。街路で物を売り歩いた多くの行商人は、お客を集めようとよく通る発声で、機知に富んだ小粋な口上を、その土地土地のリズムとメロディーに乗せて歌った。そのもっとも原始的な口上から、音楽的に編曲されたものまでを含めて全てがプレゴンと呼ばれているジャンルである。
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posted by eLPop at 17:14 | 水口良樹のペルー四方山がたり

ペルーにエモリエンテを飲みに行け!

2014.08.14

 気分を変えてちょっと飲み物の話をしよう。それはこの原稿を書いた頃ちょっと熱を出していて飲み物ばかり飲んでいたからだ。しかも薬草茶の話だ。健康にいいお茶で体がホカホカとあたたまる話だ。暑い夏になぜそんな季節外れな話を書くかって?だって熱があって寒気がするときに書いたんだもん!というわけで薄ら寒い朝晩に今でも恋しくなるペルーの魅惑の薬草茶、エモリエンテについて突然書いてみます。
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posted by eLPop at 04:42 | 水口良樹のペルー四方山がたり

複数形の「トロマタ」

2014.08.01

 考えてみれば、まだアフロペルー音楽がっつり、という記事は書いていなかったなぁ、ということで、今日はアフロペルー音楽で段違いに有名である名曲「トロマタ」について書いてみたい。「トロ・マタ」つまり「牛殺し」とかなり物騒なタイトルが付いたこの曲は、なかなかどうして数多くの魅力と謎に満ちた一曲である。
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posted by eLPop at 17:37 | 水口良樹のペルー四方山がたり

ペルーで活躍する日系人音楽家たちの肖像(4) 歌手セサル・イチカワとロス・ドルトンスの栄光

2014.07.08

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 少し間が開いてしまったが、ペルーで活躍している日系人音楽家たちを紹介するこのコーナー、今回は日本ではまったく知られていないペルーのロックの草創期に活躍し、中産階級にロックを広め、今なおムシカ・ロマンティカの大御所として人気の歌手セサル・イチカワと彼が活躍したバンド、ロス・ドルトンスを紹介したい。

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posted by eLPop at 03:02 | 水口良樹のペルー四方山がたり

バリチャによせて

2014.06.02

 それぞれの地方や町を代表するような曲というものがある。時代時代でそれらは移り変わるものでもあるけれど、故郷の郷愁などと共に長く人々の心に生き続ける曲には確かにいい曲が多いように思う。
 ペルーのアンデス地方でそういった曲を考えると、アヤクーチョならワイノの名曲「さらば、アヤクーチョの町(Adiós pueblo de Ayacucho)」、ティティカカ湖畔の町プーノならば、マリネラ・プネーニャの名曲「湖の町(Ciudad de lago)」だろうか。そしてインカの都であったクスコから選ぶならやっぱり「バリチャ(Valicha)」ではないかと思う。
 アヤクーチョやプーノを代表する曲として挙げたものは、ともにいわば故郷讃歌に分類できる曲である。これにたいして、クスコは実在の女性、バリチャに捧げられた恋の歌である。この非常に個人的なはずの恋の歌はクスコの人々に愛され、クスコを代表する曲として愛されるようになった。そればかりか、その女性、バリチャことバレリアナ・ウィルカ・コンドリさんの誕生日はクスコの町の人々の知るところとなり、毎年盛大に祝われ続けた。そんなバリチャが今年5月18日についに亡くなったということをペルーのネットニュースで知った。亡くなったのか、という思いと、まだ生きていたのか!という驚きが交錯した。彼女は享年103歳であった。


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posted by eLPop at 20:33 | 水口良樹のペルー四方山がたり