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「エル・プレベジョ」をめぐる物語

2014.12.31

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ペルーのムシカ・クリオーヤを代表する名曲に「El Plebeyo」という曲がある。「庶民」という名前の、市井の若者が身分違いの恋に苦しむ恋の歌だ。ムシカ・クリオーヤにおいてもっとも重要な作曲家の一人であり、素晴らしい名曲を数多く残したバリオ(下町)の音楽家、フェリペ・ピングロ・アルバの残した作品だ。この「エル・プレベジョ」は、チャブーカ・グランダの「ラ・フロール・デ・ラ・カネーラ(ニッケの花)」と並び称されるペルーのバルスを代表する一曲である。
 今回はこの名曲と、作曲者フェリペ・ピングロ、そしてこのバルスと共に有名になったペルーの国民的歌手ヘスス・バスケスとその周辺の物語を少しご紹介したいと思う。

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posted by eLPop at 23:44 | 水口良樹のペルー四方山がたり

セントロ・コスコ・デ・アルテ・ナティーボの偉大な足跡

2014.11.25

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 インカの都が置かれた世界遺産都市クスコ。そこで今なお愛される一つの楽団がある。「セントロ・コスコ・デ・アルテ・ナティーボ(クスコ土着芸術センター)」と名付けられたその楽団は、自らの劇場と舞踊団を持つ、由緒正しいペルーを代表するエストゥディアンティーナとして知られている。(ちなみにコスコとは、クスコのケチュア語での発音である)
 エストゥディアンティーナとは、そもそもスペインで生まれた学生弦楽合奏団だ。学費を稼ぐために学生たちが集まって演奏したのがその起源とされている。それがラテンアメリカに渡ると学生だけでなく、地元の名士たちのサロン音楽になったり、移民たちの県人会音楽として発達していった。あまり知られてはいないのだが、そんなこんなでエストゥディアンティーナは、20世紀前半期頃までラテンアメリカの都市音楽の重要なスタイルの一つとして各地で愛された楽器編成だった。基本的にはマンドリンとギターを中心に、バイオリンやアコーディオン、ギタロン(ベースギター)などで構成され、地域毎のローカルな楽器がそれに加えられる。ペルー沿岸部ではそれがカスタネットやカホンだったりするし、アンデス地域ではケーナやサンポーニャ、チャランゴやアルパだったりするというわけだ。
 このセントロ・コスコ・デ・アルテ・ナティーボはクスコを代表するエストゥディアンティーナであるが、実はこの楽団はそれだけではない、ペルー音楽史に燦然と輝く革命的な楽団でもあったのである。今回はその辺りを紹介したいと思う。
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posted by eLPop at 17:34 | 水口良樹のペルー四方山がたり

ペルーのルチャ・レジェス

2014.10.31

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 ラテン音楽世界には、二人のルチャ・レジェスがいる。一人はメキシコのランチェーラ歌手であり、もう一人はペルーのクリオーヤ歌手だ。共に大きな人気を得て、絶頂期に若くして亡くなったという点も一致している。ともかく、両者ともに稀有の歌い手であった。
 今日はそんな、10月31日、ペルーの「クリオーヤ歌謡の日」に亡くなったペルーの「黄金の声のモレーナ」ことルチャ・レジェスについて紹介したいと思う。

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路上の音楽:ペルーに生きる物売り歌プレゴン

2014.10.03

 スペイン語圏には、プレゴンと呼ばれる物売り歌の伝統がある。日本の焼き芋屋や竿竹屋の物売り歌と似たものだと言えばイメージしやすいだろうか。街路で物を売り歩いた多くの行商人は、お客を集めようとよく通る発声で、機知に富んだ小粋な口上を、その土地土地のリズムとメロディーに乗せて歌った。そのもっとも原始的な口上から、音楽的に編曲されたものまでを含めて全てがプレゴンと呼ばれているジャンルである。
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posted by eLPop at 17:14 | 水口良樹のペルー四方山がたり

ペルーにエモリエンテを飲みに行け!

2014.08.14

 気分を変えてちょっと飲み物の話をしよう。それはこの原稿を書いた頃ちょっと熱を出していて飲み物ばかり飲んでいたからだ。しかも薬草茶の話だ。健康にいいお茶で体がホカホカとあたたまる話だ。暑い夏になぜそんな季節外れな話を書くかって?だって熱があって寒気がするときに書いたんだもん!というわけで薄ら寒い朝晩に今でも恋しくなるペルーの魅惑の薬草茶、エモリエンテについて突然書いてみます。
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posted by eLPop at 04:42 | 水口良樹のペルー四方山がたり