CDの発売点数が世界的に減少し、CDやアナログで音楽シーンを追いかけてきた私のような古いタイプのファンは、新譜の情報に取り残されがちだ。
先日、久しぶりにSpotifyにアクセスしたら、キューバの女性ラッパー、
テルマリー の新譜
『Maradentro 』を勧められ、あわててチェックしてみた。発売は、2021年で1年以上前。遅ればせながら紹介してみたい。
なお、配信サーヴィスの中には、『Fuerza Arará』を2023年の新譜と表記しているところがあるが、そのアルバムは、2018年にキューバのレーベル“コリブリ”から発売されたもので、配信の順番が前後したということだろう。
まずは、オープリング曲から。
「Maradentro」Telmary feat. Pedrito Martínez VIDEO https://youtu.be/5DSCn_W0jpo N.Y.を拠点に活躍するキューバ人パーカッショニスト、ペドロ・マルティーネスをフィーチャリング。テルマリーと盟友クマール作曲のアフロ・ビートなサウンドに驚いた。ペドロ・マルティーネスは、バタ・ドラムの他、ヴォーカルでテルマリーと絡んでいる。
実は、テルマリーも今は、U.S.A.を拠点にしてる。以前、カナダ〜U.S.A.を拠点に活動していた時期もあったが、キューバに戻って活動、国内でも人気を博していた。ところが、コロナ禍とU.S.A.バイデン大統領による対キューバ強行政策継続による、キューバ経済の混乱のため、数年前から再度拠点をU.S.A.に移している。バイデンは、2国の国交再開など、融和的政策をとっていたオバマ大統領時代の副大統領だったにもかかわらず、トランプ大統領によるキューバ締め付け策をほとんど解除していない。これは、バイデン大統領の選挙対策だろう。
続く曲は、ブラジルのベース奏者、ムニール・ホスンをフィーチャー。
「Repartera」Telmary feat. Munir Hossn VIDEO https://youtu.be/q_nhuFYFhNI ここでムニール・ホスンは、ギターを演奏している。
「Enamorao」Telmary feta. Ana Torroja VIDEO https://youtu.be/-hRcVPlbhBU スペインのポップ・グループ、メカーノ出身のアナ・トローハのヴォーカルをフィーチャーした曲。
他にも、ジューサ、アレクサンデル・アブレウ、オサイン・デル・モンテなどが参加しているが、なんと言っても話題なのが、オマーラ・ポルトゥオンドをフィーチャリングした曲だろう。
「Puras palabras」Telmary feat. Omara Portuondo VIDEO https://youtu.be/X8HvOwHGzaM オマーラの十八番であるマルタ・バルデースの「パラブラス」をサンプリング的に配し、オマーラのこれまでの録音の中でも、ある意味一番メローで異質なサウンドに仕上げている。
カヴァー曲以外、ほとんどの曲の作詞作曲をテルマリーと盟友クマールが手がけ、全ての曲でプログラミング&アレンジをクマールが行なっている。
クマールは、テルマリーとともに、若き日に“フリーホール・ネグロ”という、ヒップ・ホップ〜ラップのグループを組み活動していた。いわば、キューバのヒップ・ホップの黎明期から活躍するミュージシャンだ。
そのオマーラ・ポルトゥオンドも、最近新譜『Vida』を出したので、こちらも紹介しておこう。
このアルバムは、ここ2〜3年の間にシングルとして配信のみで発表していた、各方面のスターたちとのデュエットに、新録音を加え製作されたもの。なので、熱心なファンの方は、既にお聞きになった音源もあると思うが、こうやってまとめて聞けるのは、嬉しい限りだ。こちらは、CDリリースあり。また、アナログでもリリース予定らしい。
「Bolero a la vida」Omara Portuondo feat. Gaby Moreno VIDEO https://youtu.be/Gui4CYiptSM アルバム・オープニングは、グアテマラの女性シンガー・ソングライターのガビー・モレーノとのデュエット。
なお、多くの曲で、彼女がプロデュースしている。
「SILENCIO」Omara Portuondo feat. Andy Montañez
VIDEO https://youtu.be/jFHdTD9s2u4 映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でイブライム・フェレールとエグレム・スタジオでデュエットした印象的なシーンのプエルトリコのラファエル・エルナンデスのナンバーを、プエルトリコのスター、アンディー・モンターニェスとデュエット。
「DUELE 」Omara Portuondo feat. Gonzalo Rubalcaba VIDEO https://youtu.be/RHFQCFRK8Nc ピロート・イ・ベラによるフィーリンの名曲でオマーラの十八番を、ゴンサロ・ルバルカーバのピアノ伴奏で。
「ME TOCA」Omara Portuondo feat. Carlos Rivera VIDEO https://youtu.be/zbtGOAmL_Oc メキシコの歌手で舞台俳優でもあるカルロス・リベーラとのデュオ。
「SE FELIZ 」Omara Portuondo feat. Keb' Mo' VIDEO https://youtu.be/YVrcc1Y42jA U.S.A.のブルース・マン、ケブ・モとの共演。
「HONRAR LA VIDA 」Omara Portuondo feat. Ruben Blades VIDEO https://youtu.be/GtA9WRvMjEs サルサのスター、ルベン・ブラデスとデュエット。
「GRACIAS A LA VIDA」Omara Portuondo feat. Natalia Lafourcade VIDEO https://youtu.be/ScLN4K8TkFE チリのビオレータ・パラの名曲を、メキシコのトラディショナルな音楽を現代的に再構築し、各方面で大きな評価を得ている、ナタリア・ラフォールカデとのデュエット。
「CON 2 QUE SE QUIERAN 」Omara Portuondo feat. Alexander Abreu ・ Amaury Pérez VIDEO https://youtu.be/WGYkzSv1sPc アルバム最後は、キューバを代表する歌手二人とコンテンポラリー・ソン(=キューバン・サルサ)で締めくくられている。
なお、オマーラは現在、このアルバムの発売に合わせ『FAREWELL WORLDO TOUR VIDA 2023』と称した最後の世界ツアーを行なっている。ネットでは、その様子も少しアップされているが、92歳とは思えないその声量には、驚かされる。
残念ながら、現時点で日本公演は予定されていない。
posted by eLPop at 13:56
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高橋政資のハッピー通信