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eLPop今年のお気に入り!Pablo MIlanés「Cuanto Gané, Cuanto Perdí

2023.12.30

◆高橋政資(ハッピー通信)『Pablo MIlanés「Cuanto Gané, Cuanto Perdí』


https://youtu.be/1Al6k7qWun0?si=m4hCPITRGT2i0AbY

2022年11月に没したパブロ・ミラネースの死後、2023年春に発表されたラスト・アルバム『Amor Y Salsa』から。ほとんどの曲で豪華ゲストが参加しているが、アルバム・ラストに据えられたこの曲は、ソロで聴かせてくれる。彼の多彩な音楽性を感じることができる歌唱だと思う。

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posted by eLPop at 19:35 | 高橋政資のハッピー通信

1916 選挙応援歌になったコンガ

2023.10.25

キューバ音楽好き、特にアフロ・キューバ系の音が好きな方なら、「アエ・アエ・アエ・ラ・チャンベローナ」というコロ(コーラス)に聞き覚えがあるのではないだろうか。そう、カーニヴァルの音楽“コンガ”を代表する曲で、ショーの終わりなどで観客も交えコンガで会場を練り歩く時などにも、必ずと言っていいほど使われる。サルサが好きな方なら、カチャーオやセリア・クルースの録音をご存知なのではないだろうか。

● CACHAO / Chambolena (Pot Pourri De Congas)

https://youtu.be/_KHAW8ro0H0?si=6G2NevLA5Xpy2FCU

● CELIA CRUZ / La Chambelona

https://youtu.be/Fdekio74Mng?si=WSTP5IIFmaWts6yR

YouTubeを見ていたら、ドミニカ共和国のダミロンの録音も発見。

● DAMORÓN / La Chambelona

https://youtu.be/UhuJm3J5Qko?si=KNJkQo_vFsOPbS4I

こんなにも有名なコンガの曲だが、これほどまでに有名になったのはなぜか?
実はこの曲、キューバにおける最初の選挙応援ソングだったのだ。時は1916年、保守派であるキューバの第3代大統領マリオ・ガルシア・メノカルとリベラル派のアルフレド・サヤス氏が戦った。その時、国中からアルフレド・サヤスの支持者がハバナに集合し、列車から降りるとこのLa Chambelonaを歌いながら、サヤス氏の家まで練り歩いて支持を表明したという。このアイデアは、音楽家リゴベルト・レイバが思いついたのだそうだ。以降、コンガを選挙キャンペーンに使うのが流行ったらしい。

● La Chambelonaを演奏しながらアルフレド・サヤス支持のため練り歩く民衆
Los liberales arrollaban al ritmo de “La Chambelona”

Los liberales arrollaban al ritmo de 窶廰a Chambelona窶.jpg

キューバ音楽史研究のエリオ・オロビオ氏によると、「古いスペインの小唄トナディージャにコンゴ起源のリズムの要素を混ぜたもの 」であるという。アフロ・キューバ文化の成り立ちを示す興味深い指摘だと思う。またオロビオ氏は、このLa Chambelonaは、1908年には政治的な歌として登場していたとも述べている。
選挙は、この曲の成果もあったのかはわからないが、アルフレド・サヤスが勝利した。が、U.S.A.が、キューバへの内政干渉を規定したプラット修正条項に基づいて介入し、マリオ・ガルシア・メノカルが政権が維持することとなってしまった。というのも、アルフレド・サヤスは、アメリカからの独立運動に参加したり、プラット修正条項に反対したり、U.S.A.へのグアンタナモ海軍基地の貸与にも反対してきた人物だったからだ。
その後、アルフレド・サヤスは、1921年に再選し大統領に就任。4年の任期中に女性の参政権や報道の自由などを成し遂げたものの、汚職事件を引き起こしてしまい、中南米が現在まで抱える深い社会問題も体現してしまった。

アルフレド・サヤスは、選挙戦当時民衆に人気があったようで、人気役者や歌手たち何人かが、La Chambelonaの録音を残している。しかし、最近ネットでこの曲のことを調べていたら、なんと選挙戦の真っ只中の1916年に、Coro ChambelonaというグループがLa Chambelonaを歌った録音が存在することを知った。しかも、驚くことにU.S.A.のアーカイブで、その録音が公開されていたのだ。

● Coro Chambelona / La Chambelona
スクリーンショット 2023-10-15 141355.png
https://adp.library.ucsb.edu/index.php/take/embed/191570

CORO CHAMBELONA
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太鼓やコーラス、ギターの他、金属っぽい音も聞かれるが、レコーディング・データによると、鍬(くわ)やスキという農作業の道具が使われているようだ。多分、カーニヴァル形式のコンガのもっとも古い録音だと思う。

こんな音源が聞けるのは、まさにネット時代ならでは。日本のお寒い状況とは反対に、欧米を中心に大学や図書館、研究機関などでは、録音物の遺産をデータ化して一部一般に公開している。これは利用しない手はない。
と思っていたら、なんと最近発売されたSP音源復刻コンピに、この録音が収録されていた。

● V.A. / !Con Piano, Sublime! : Early Recordings from the Caribbean 1907-1921

スクリーンショット 2023-10-15 140730.png
https://magnificentsoundsrecords.bandcamp.com/album/con-piano-sublime-early-recordings-from-the-caribbean-1907-1921




posted by eLPop at 17:09 | 高橋政資のハッピー通信

最近の新譜から テルマリー、オマーラ・ポルトゥオンド

2023.08.03

 CDの発売点数が世界的に減少し、CDやアナログで音楽シーンを追いかけてきた私のような古いタイプのファンは、新譜の情報に取り残されがちだ。

 先日、久しぶりにSpotifyにアクセスしたら、キューバの女性ラッパー、テルマリーの新譜『Maradentro』を勧められ、あわててチェックしてみた。発売は、2021年で1年以上前。遅ればせながら紹介してみたい。

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 なお、配信サーヴィスの中には、『Fuerza Arará』を2023年の新譜と表記しているところがあるが、そのアルバムは、2018年にキューバのレーベル“コリブリ”から発売されたもので、配信の順番が前後したということだろう。

 まずは、オープリング曲から。

「Maradentro」Telmary feat. Pedrito Martínez

https://youtu.be/5DSCn_W0jpo

 N.Y.を拠点に活躍するキューバ人パーカッショニスト、ペドロ・マルティーネスをフィーチャリング。テルマリーと盟友クマール作曲のアフロ・ビートなサウンドに驚いた。ペドロ・マルティーネスは、バタ・ドラムの他、ヴォーカルでテルマリーと絡んでいる。

 実は、テルマリーも今は、U.S.A.を拠点にしてる。以前、カナダ〜U.S.A.を拠点に活動していた時期もあったが、キューバに戻って活動、国内でも人気を博していた。ところが、コロナ禍とU.S.A.バイデン大統領による対キューバ強行政策継続による、キューバ経済の混乱のため、数年前から再度拠点をU.S.A.に移している。バイデンは、2国の国交再開など、融和的政策をとっていたオバマ大統領時代の副大統領だったにもかかわらず、トランプ大統領によるキューバ締め付け策をほとんど解除していない。これは、バイデン大統領の選挙対策だろう。

 続く曲は、ブラジルのベース奏者、ムニール・ホスンをフィーチャー。
「Repartera」Telmary feat. Munir Hossn

https://youtu.be/q_nhuFYFhNI

 ここでムニール・ホスンは、ギターを演奏している。

「Enamorao」Telmary feta. Ana Torroja

https://youtu.be/-hRcVPlbhBU

 スペインのポップ・グループ、メカーノ出身のアナ・トローハのヴォーカルをフィーチャーした曲。

 他にも、ジューサ、アレクサンデル・アブレウ、オサイン・デル・モンテなどが参加しているが、なんと言っても話題なのが、オマーラ・ポルトゥオンドをフィーチャリングした曲だろう。

「Puras palabras」Telmary feat. Omara Portuondo

https://youtu.be/X8HvOwHGzaM

 オマーラの十八番であるマルタ・バルデースの「パラブラス」をサンプリング的に配し、オマーラのこれまでの録音の中でも、ある意味一番メローで異質なサウンドに仕上げている。

 カヴァー曲以外、ほとんどの曲の作詞作曲をテルマリーと盟友クマールが手がけ、全ての曲でプログラミング&アレンジをクマールが行なっている。
 クマールは、テルマリーとともに、若き日に“フリーホール・ネグロ”という、ヒップ・ホップ〜ラップのグループを組み活動していた。いわば、キューバのヒップ・ホップの黎明期から活躍するミュージシャンだ。


 そのオマーラ・ポルトゥオンドも、最近新譜『Vida』を出したので、こちらも紹介しておこう。
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 このアルバムは、ここ2〜3年の間にシングルとして配信のみで発表していた、各方面のスターたちとのデュエットに、新録音を加え製作されたもの。なので、熱心なファンの方は、既にお聞きになった音源もあると思うが、こうやってまとめて聞けるのは、嬉しい限りだ。こちらは、CDリリースあり。また、アナログでもリリース予定らしい。

「Bolero a la vida」Omara Portuondo feat. Gaby Moreno

https://youtu.be/Gui4CYiptSM

 アルバム・オープニングは、グアテマラの女性シンガー・ソングライターのガビー・モレーノとのデュエット。
 なお、多くの曲で、彼女がプロデュースしている。

「SILENCIO」Omara Portuondo feat. Andy Montañez

https://youtu.be/jFHdTD9s2u4

 映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でイブライム・フェレールとエグレム・スタジオでデュエットした印象的なシーンのプエルトリコのラファエル・エルナンデスのナンバーを、プエルトリコのスター、アンディー・モンターニェスとデュエット。

「DUELE 」Omara Portuondo feat. Gonzalo Rubalcaba

https://youtu.be/RHFQCFRK8Nc
 ピロート・イ・ベラによるフィーリンの名曲でオマーラの十八番を、ゴンサロ・ルバルカーバのピアノ伴奏で。

「ME TOCA」Omara Portuondo feat. Carlos Rivera

https://youtu.be/zbtGOAmL_Oc

 メキシコの歌手で舞台俳優でもあるカルロス・リベーラとのデュオ。

「SE FELIZ 」Omara Portuondo feat. Keb' Mo'

https://youtu.be/YVrcc1Y42jA

 U.S.A.のブルース・マン、ケブ・モとの共演。

「HONRAR LA VIDA 」Omara Portuondo feat. Ruben Blades

https://youtu.be/GtA9WRvMjEs

 サルサのスター、ルベン・ブラデスとデュエット。

「GRACIAS A LA VIDA」Omara Portuondo feat. Natalia Lafourcade

https://youtu.be/ScLN4K8TkFE

 チリのビオレータ・パラの名曲を、メキシコのトラディショナルな音楽を現代的に再構築し、各方面で大きな評価を得ている、ナタリア・ラフォールカデとのデュエット。

「CON 2 QUE SE QUIERAN 」Omara Portuondo feat. Alexander Abreu ・ Amaury Pérez

https://youtu.be/WGYkzSv1sPc

 アルバム最後は、キューバを代表する歌手二人とコンテンポラリー・ソン(=キューバン・サルサ)で締めくくられている。

 なお、オマーラは現在、このアルバムの発売に合わせ『FAREWELL WORLDO TOUR VIDA 2023』と称した最後の世界ツアーを行なっている。ネットでは、その様子も少しアップされているが、92歳とは思えないその声量には、驚かされる。

 残念ながら、現時点で日本公演は予定されていない。
posted by eLPop at 13:56 | 高橋政資のハッピー通信

4/28:PURAHÉI SOUL (from PARAGUAY)@ブルーノート東京

2023.05.26

 新型コロナの5類感染症への移行が検討され始めたころから、来日公演がどんどん増え始めてきた。やっとコロナ禍前の状態にエンターテイメント業界も戻りつつあるのを実感する。だが、この急激な変化はコロナ禍前以上に情報をチェックしていないと、こんなミュージシャンが来ていたのかと、後になって地団駄を踏みかねないので注意したい。4月に中南米諸国からも何組か来日していたが、見逃した方も多いのではないだろうか。プロモーション目的で、政府機関がバックアップしていることも多く、あまりアナウンスがされていなかったり、日本ではほとんど無名のミュージシャンが選ばれることが多いので、こまめにチェックしていないと見逃してしまう。

 ヴォーカルのジェニファー・ヒックス(Jennifer Hicks)とヴォーカルとギターのミゲル・ナルバエス(Miguel Narváez)による男女デュオ、プラヘイ・ソウル(PURAHÉI SOUL)も本国パラグアイ政府のバックアップで来日したそんなグループの一つだった。4月26日と27日に、東京・恵比寿 BLUE NOTE PLACEで、28日にはブルーノート東京でコンサートを行った。また、京都などでも演奏を披露したようだ。今回は、彼らの他、ベーシストのパウラ・ロドリーゲス(Paula Rodríguez)がサポート・メンバーとして一緒に来日、さらにブルーノート東京のステージには、曽根麻央(トランペット、ピアノ、キーボード)と河村亮(ドラムス) がサポート・メンバーとして参加した。

 パラグアイ音楽というと、アルパ(ハープ)の音楽や、ポルカ(ヨーロッパの2拍子のリズムが、パラグアイでは何故か3拍子と2拍子のポリリズムに変化して根付いた)やガローパ(こちらもポルカ同様、ヨーロッパのリズムが3拍子系の複雑なポリリズムに変化)、バルス(ワルツ)という伝統的な音楽のイメージぐらいしか湧かない中、彼らに関してなんの前知識もなく、28日のファースト・ステージを見に行った。

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 事前にSpotifyで2曲ほど聞いてみたが、欧米のポップスに影響を受けたサウンドぐらいにしか印象は持てず、実はあまり期待はしていなかった。確かに序盤の日本人のバックアップ・メンバーが参加したパートでは、そんな印象だったが、中盤のジェニファー・ヒックスとミゲル・ナルバエス2人だけのパート以降は、アンコールまでどんどんギアを上げていき独自な世界を聞かせてくれた。

 歌う言葉は、スペイン語に英語、そしてラプラタ川地域に住む先住民グアラニー族の言葉であるグアラニー語。途中、パラグアイ音楽の有名なジャンル(リズム)である「ポルカを歌います」とアナウンスした曲なども演奏。もちろん、ただ伝統的なスタイルで演奏するわけではなく、現代らしい男女ハーモニーをとりいれ、多くの世界中の同世代のヴォーカリストたちに共通したアーバンな雰囲気も取り入れていて、開かれた音楽性を感じさせてくれた。また、お隣の国アルゼンチンなどと同様、ヌエバ・カンシオーンなどとも連携したパラグアイに根ざしたロックの躍動も、しっかり受け継いでいるようだ。ショウとして十分楽しめるものであるのと同時に、聞き進むにつれどこか南米の深さも感じさせてくれるのがとても良かった。

● Purahéi Soul - Luna (Acoustic Version) Canadá 2022

https://youtu.be/uWAeIAUPjzc
 多分、「ポルカです」といって歌った曲

● Purahéi Soul - Desapego (Videoclip Oficial)

https://youtu.be/bgdEhcfbUec
 この曲も、ポップだがパラグアイ的なリズムがしっかり聞いてとれる。

● Purahéi Soul - Aju Nderendape - Serenata (Videoclip Oficial)

https://youtu.be/fRKZUPMDSs4
 バルス(ワルツ)のセレナータ

● Purahéi Soul - Swing Guaraní (Live Session)

https://youtu.be/WFa-PbEaQ_s


 帰宅後、プラヘイ・ソウルのことを調べて見たら、パラグアイ本国ではかなり人気のある実力派グループのようだが、ビジュアルはまだ若そうで、そのギャップも魅力と感じた。

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会場で販売されていたCD。
2018年発売のアルバム『Swing Guaraní』全曲に、それ以降に発表された楽曲3曲をプラスしたもの。
2022年のツアー用に特別に作られたアルバムのようだ。


 以下に、ブルーノートのホームページで紹介されているプロフィールを貼り付けておく。これは、彼らの公式HPのプロフィールを要約+アルファした内容だ。

「2013年、ジェニファー・ヒックスとミゲル・ナルバエスによって結成。プラヘイはグアラニー語で歌を意味し、ソウルはアフロサウンドと魂を指す。“音楽と芸術の本来の意味を取り戻す必要性”を標榜し、アート、ファッション、演劇、映画、ダンスなどさまざまな分野と交流。地元のミュージシャン・コミュニティで頭角を現し、2018年12月にはグアラニー語、スペイン語、英語でうたった1stアルバム『Swing Guaraní』を発表。ジャズやソウル、ラテン音楽など多種多様な要素を取り入れたスタイルが評判となり、現在では国内外でツアーを展開する人気ユニットに」

4/28 ブルーノート東京のラインナップ
Jennifer Hicks(vo)
ジェニファー・ヒックス(ヴォーカル)
Miguel Narváez(g,vo)
ミゲル・ナルバエス(ギター、ヴォーカル)
Paula Rodríguez(b)
パウラ・ロドリゲス(ベース)
Mao Soné(tp,p,key)
曽根麻央(トランペット、ピアノ、キーボード)
Akira Kawamura(ds)
河村亮(ドラムス)

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posted by eLPop at 19:00 | 高橋政資のハッピー通信

『ラテンアメリカの民衆芸術』展@国立民族学博物館

2023.04.03


 3月9日から、大阪の国立民族学博物館で開催されている『ラテンアメリカの民衆芸術』展を、見に行ってきた。国立民族学博物館は、EXPO70(1970年の大阪万博)の跡地、万博記念公園の一角に作られた民族学博物館。大阪モノレールの万博記念公園駅から、万博記念公園を横切るように向かうのだが、ちょうど「桜まつり」が行われていて天気も良かったこともあり、家族連れなどで大混雑。

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太陽の塔

 後で国立民族学博物館の方に聞いた話だと、普段はほとんど人出は無く、今日の混雑ぶりはビックリだということ。何はともあれ、太陽の塔と桜を横目に見ながら、無事会場に到着。会場入り口では、今回の特別展のイメージキャラクター(?)にもなっている“ヤギのナワル”の看板が出迎えてくれるので、本館とは別の特別展示館へもスムーズにアクセスできた。

 「ラテンアメリカでは、民衆のつくる洗練された手工芸品を民衆芸術(スペイン語でArte Popular=アルテ・ポプラル)とよびます。北はメキシコから南はアルゼンチンまで、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブの作品まで、国立民族学博物館が所蔵する作品を中心に約400点のいろいろな民衆芸術作品を展示します」と主催者の説明にある通り、時間、地域ともに幅広く、展示数の多さとクオリティーの高さに圧倒された。

 展示物は、先コロンブス、コロンブス後の混淆の時代、そして、現代の抵抗のアートとしての活動までを体系つけて紹介しているので、中南米の歴史に興味がある人にも刺激的な内容となっている。
 手工芸品を、1920~30年代から国のアイデンティティとして育て紹介していったメキシコとペルーから多くの世界的に知られた作家が出たことは、両国のインディヘニスモ運動から、それぞれ独自の音楽がつくられ世界的に知れ渡ったことと呼応していて、作品群をより興味深く見ることが出来た。ただ、両国の展示物が結果的に他地域より圧倒的に多かったのは致し方ないが、カリブなどの展示はもう少し見たかったというのも本音。

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祭用楽器(ボリビア)

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焼きのも(ペルー)

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モラ(パナマ)

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仮面(ブラジル)

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死者の日祭壇(メキシコ)

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ガリフナ(ホンジュラス)

 ただ、初めて知ることも多く、日本や中国をはじめとするアジアの漆器や絣(かすり)が、植民地時代にはすでに中南米の工芸に影響を及ぼしていたことなどは、驚きだった。

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漆器の入れ物(メキシコ)


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首長人形(ペルー)

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レタブロ(ペルー)

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命の木(メキシコ)

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コヨーテのナワル(メキシコ)

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精霊の神話的変化(ペルー)

 さらに、現代の抵抗のアートとしての展示も充実していて、メキシコでのアート・コレクティブの活動などは、映像でも紹介されていて、今を生きる民衆芸術にも目を配っているのは流石。

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アヨツィナパ文書(メキシコ)

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呪われた者たち(ペルー)

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アルビジュラ「窓の外を見つめる女性」(チリ)

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木版画「8-M」(メキシコ)

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木版画「メキシコの黒人ディアスポラシリーズ(メキシコ)

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「グアテマラの民族衣装はだれのものか」

 とにかく、中南米カリブの文化に興味ある方はもちろん、現代史に興味ある方も必見の特別展示は、5月30日まで。途中、関連イヴェントもいくつか企画されているので、そちらと合わせて訪れるのも良さそうだ。
『ラテンアメリカの民衆芸術』HP
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/37894

 常設展の方も約15年ぶりに見てみたが、現代進行形の文化も紹介され、以前と一部展示内容が入れ替えられていて、こちらも興味深く見て回った。ただ、世界の全ての地域を対象にしているので、その数は膨大。『ラテンアメリカの民衆芸術』展と合わせて見るには1日仕事になるので、そのようにプランされるのをお勧めする。

国立民族学博物館 HP
https://www.minpaku.ac.jp/exhibition/permanent/main

 ちなみに、関西地区には、ほかに天理教大学付属の「天理参考館」という、これまた素晴らしい民族学博物館があるので、こちらと合わせ“関西民族(俗)学ツアー”の旅も可能。
天理参考館 HP
https://www.sankokan.jp/


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http://elpop.jp/article/190261244.html
posted by eLPop at 13:16 | 高橋政資のハッピー通信