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目次
【11/3 eLPop Party vol.5 ラテン最新情報/選曲リスト】(出演順)
【3/10 eLPop Party メンバー選曲リスト】(出演順)
【ラリー・ハーロウ来日特集1:来日記念プレ・イベント、cafe104.5で開催!
【ラリー・ハーロウ来日特集2:ファニア・私の3曲】
【ラリー・ハーロウ来日特集3:ラリー・ハーロウ・インタビュー by 岡本郁生】


【追悼特集】
【特集:私はいかにしてラテンにハマったのか?】
【eLPopへのメッセージいただいています】
 決起文<はじめに>

『eLPop今月のお気に入り!2023年8−10月』

2023.10.25

ようやく秋らしい毎日に。『eLPop今月のお気に入り!2023年8-10月』をお届けします!

新作・旧作関係なくeLPopメンバーの琴線にかかった音楽、映画、本、社会問題などを、長文でまたはシンプルにご紹介します。今の空気を含んだ雑誌、プレイリストのように楽しんで頂ければ幸いです。今月も多様で濃いです。

【目次】
◆高橋めぐみ『復刻版 ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本』(クレオール)
◆宮田信『LALOM=ロサンゼルス・リーグ・オブ・ミュージシャン』(チカーノ)
◆高橋政資『1916 選挙応援歌になったコンガ』(キューバ)
◆山口元一『フアネス、ミゲル・ロペス、エステバン・コペーテ、エディ・マルティネス』(コロンビア)
◆水口良樹『現代アンデス音楽の潮流』(ペルー)
◆長嶺修『Le Trio joubran「sama Cordoba」』(パレスティナ)
◆石橋純『ホローポの奥地へ』(ベネスエラ)
◆佐藤由美『ショーロクラブ最新オリジナル『Choro Club/Caleidoscópio』』(ブラジル/日本)
◆岡本郁生『カンボジアン・ロック/ファンク・バンド「クマイルス」』(カンボジア/日本)
◆伊藤嘉章『ウーマン・パワー、クィア・パワー』(チリ/メキシコ/コロンビア/アルゼンチン/プエルトリコ/キューバ)

*各記事には上記をクリックして頂ければ飛びます。

さて今年最終号は12月末の予定です。お楽しみに!
posted by eLPop at 17:20 | Calle eLPop

『エルポップがガイドするラテン音楽最新地図 vol.3』セットリスト

2023.09.28

9/26の『エルポップがガイドするラテン音楽最新地図 vol.3』におこし頂いた皆様、ありがとうございました!
話者のカバー範囲が全然異なっていながら、やはり関連があったりとラテンの広さとそれをつつなぐものも浮かび上がったことなどもお楽しみ頂けたのではと。

終演後、何人の方からかセットリストのご要望がありましたので用意いたしました。
お楽しみください。次号のWeb Magazineで各人の解説があるかもしれません。
取り急ぎ本日の流したリストです。時間があったらかけようと思っていた曲も入れてあります。


■宮田信『チカーノ & More』(チカーノ、インドネシア)
@イーストLAの日系社会:チカーノ・バリオに混在してきた日系人コミュニティ。
Aチカーノ音楽:世界中に波及するその世界観、そして越境者/インターネットを通
じて伝わる中南米音楽からの新しい影響と多様化するその世界」

1. LA LOM "JUANA LA CUBANA"

https://youtu.be/br-Ij3WMvsg

2. THEE SACRED SOULS "CAN I CALL YOU ROSE?"

https://youtu.be/vKJhzL16woE?si=lcX3T7oRBw-n5cMK

3. THEE MARLOES "MIDNIGHT HOTLINE"

https://www.youtube.com/watch?v=mAv9aw0tul4

4. BRAINSTORY "BEAUTYFUL BEAUTI"

https://www.youtube.com/watch?v=JVnfSVlQvmQ



■水口良樹『ケチュア語での様々な音』(ペルー)

1. Andu "La Toxica" (毒)

https://www.youtube.com/watch?v=yeF_LWOJ038

2. Turmanye "Peru reggae"

https://www.youtube.com/watch?v=B6VfpMj6Rm0

3. Milena Warthon x Eva Ayllón x Renata Flores "Hijas del sol"

https://www.youtube.com/watch?v=QgXAzrhPtq8

4. Naysha "Aitanaji" (もうたくさんだ)アシャニンカ語

https://www.youtube.com/watch?v=Np2p1OsLeWs

(4. Dayyam "Alto ensayo")

https://www.youtube.com/watch?v=G9Qe0gFY2wM

5. Lenin (Tamayo) "Intiraymi"(太陽の祭り) Q-pop

https://www.youtube.com/watch?v=DsL5LivouVs

Lenin feat. Yolanda Pinares "Ukupacha"(現世)

https://www.youtube.com/watch?v=N8YT8B4z8Bo

(ex. Renata Flores "La America que se olvida")

https://www.youtube.com/watch?v=5jscaOFjSOw



■岡本郁生『トニー&ミミ・スッカール、ルベン・ブラデス』(NY/ペルー/パナマ

SUKIYAKI - Mimy Succar, Nora Suzuki (Orquesta de la Luz) , Tony Succar | 上を向いて歩こう

https://www.youtube.com/watch?v=ncXy7hCeJQA


https://www.youtube.com/watch?v=LtV_ePRPKmY

AEO - Mimy Succar, Cali Flow Latino, KENYI, Tony Succar (MUSIC VIDEO)

https://www.youtube.com/watch?v=mT_d4swwAdw

No Me Acostumbro - Mimy Succar & Tony Succar

https://www.youtube.com/watch?v=tTGFV90QnvU

Perú te Canta con Amor - Mimy Succar

https://www.youtube.com/watch?v=FZpjfTpK4VM

Me Llamo Perú!

https://www.youtube.com/watch?v=kwEvl9ShsIg

Mimy Succar Tayraku - Feliz Dia de los Oyichans y Obachans

https://www.youtube.com/watch?v=2jErZEc9xa8

El Cazanguero (En Vivo en el Coliseo de Puerto Rico, 14 de Mayo 2022)

https://www.youtube.com/watch?v=UmJ1R-hbMcA

Concierto completo Rubén Blades Luna Park 31 de mayo 2023 Buenos Aires Argentina

https://www.youtube.com/watch?v=k7ZtacNXQsc&t=288s

■高橋政資『キューバ』(キューバ)

Cimafunk / NPR Music 15th Anniversary Concert

https://youtu.be/xx_Q2fu7Zp4?si=JbAixW2bHbmQJW1y

Teresa Garcia Caturla TETE Y Afro Cuban All Stars / Los Tamalitos De Olga

https://youtu.be/fTrvnHP0q8w?si=7WFvffCTU4AJzATK

Cachao / La Chambelona

https://youtu.be/bQHSlCh7YrE?si=pOwD1uI1bWRzg6J7

Coro Chambelona / Son de la chambelona
スクリーンショット 2023-09-28 103406.png
https://adp.library.ucsb.edu/index.php/objects/detail/80368/Victor_69185


映画「YAMBAO」1958年 ニノン・セビージャ主演/音楽監督:オブデゥリオ・モラレス/コレオグラフィー:ロドネイ

https://youtu.be/sD2P2eXeu2g?si=wBsxEYCbMHWUoHsr


https://youtu.be/vszenlZ4H30?si=Xp03wFNKXIrJgOp0


■伊藤嘉章『ウーマン・パワー、マン・パワー』(カリブ、中南米)

1. ウーマン・パワー
@パーカッション

『En Cuba la percusion tiene nombre de mujer』

https://youtu.be/T7kbMsxEJxg?si=k0Kh5gKrMGz4EcwR

『Descarga con las chicas de la percusion de Colombia Zorayda, Belli, Lucero y de PR Amarilys』

https://youtu.be/e3qQmPVzvpg?si=KCU7JK68tGLNrnAg

『LA MULATA RUMBERA /Orquesta Femenina ANACAONA』

https://youtu.be/g01Ki9KYDWo?si=wuu8RyRJgyJd1NHs

Aクアトロ
『 Cuatristas nueva generacion /Fabiola Méndez en el cuatro puertorriqueño feat Albino Mbie』

https://youtu.be/ptw-EHmeNUM?si=xExy5FRlzSbifF_L

『Fabiola Mendez/Alla en la altura』

https://youtu.be/gpw_J14W8tE?si=EO_8AmVunAY_w3YR

『Fabiola Muniz Ortiz/Son Vecinos Renesito Avich ft Maribel Delgado Fabiola Muñoz Luis Sanz Enrique Díaz』

https://youtu.be/1UqtatQo2b4?si=efOZE4HbBxiGoTiH

B女性の声、自然な発露
『Ana Tijoux / Antipatriarca』

https://youtu.be/RoKoj8bFg2E?si=zdsCWr8jJ67UHd6w

Vivir Quintana Canción sin miedo ft El Palomar

https://youtu.be/VLLyzqkH6cs?si=xWXWV9d7yGMYwNbQ

『Flores Rojas - Rebeca Lane』

https://youtu.be/2WELKCBWXlY?si=xQAvdFlMV2TRlhLh

『KAROL G & Shakira / TQG』

https://youtu.be/jZGpkLElSu8?si=09_uxZ1l0RmQZWRy

『KAROL G / BICHOTA』

https://youtu.be/QaXhVryxVBk?si=pKGJ7s9dVNo07lz4

『Miss Bolivia y j mena Se Quema』

https://youtu.be/WNKn9KRXZJU?si=oUw4lj8DqkuO_YkN

Cクイアの声、自然な発露
『Villano Antillano/Veo Veo』
『Villano Antillano ft Pedro Capo/Reina de la Selva』

https://youtu.be/qB12dBLS6WE?si=UpvrAVQrB9wfPbNx

『Bad Gyal, Young Miko, Tokischa / Chulo』

https://youtu.be/tnbpWZNAT_Y?si=NMBaXSfyMjsSIsbD

『Young Miko/Wiggy』

https://youtu.be/sO6r8pXZKwg?si=wksIzT2-Kcrq6oj6

『Krudas Cubensi/ Mi cuerpo es mio』

https://youtu.be/x-Pgwldfx8U?si=IqwUdxR3gLj6yIwI

『Niña Dioz feat Hispana Mezcal』

https://youtu.be/Q1Gjc8RzUlA?si=3chi2CI02hynKtVA

2.フレディ・ミランダJr (元サルサ・スインゴサ)新譜『Anda! Toca Miranda』

『Anda Toca Miranda』

https://youtu.be/7A2x_Vhh91Y?si=LpWKgnwwxQEHPV4L

『Decisión』

https://youtu.be/lJPE3qFBE-4?si=RM4t8AhWFi8cH0Y9

『Moliendo Café』

https://youtu.be/OnpkJaTxeQQ?si=gyo9I45wmJyhwtkg



posted by eLPop at 12:06 | Calle eLPop

9/26(火)『エルポップがガイドするラテン音楽最新地図 vol.3』@晴れ豆

2023.09.23

来週火曜日 9/26(火)『エルポップがガイドするラテン音楽最新地図 vol.3』久々にやります!ラテンの今の情報5地域分を音と映像を楽しみながらトークします。

スペイン語圏の音楽や文化に関する情報を発信・共有するラテン音楽Webマガジン「eLPop」(エルポップ)のメンバーによる、中南米〜USA発ラテン音楽最新情報をご紹介するトーク・イヴェント、久々にやります。今、起きていること、起きようとしていること・・・

世界の音楽地図を書き換えてしまうかもしれないラテン音楽のパワーと魅力を現地情報を盛り込んで音と映像でご紹介します。お仕事の帰りとかにお気軽に1ドリンク飲みに来て気楽なおしゃべりを!

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<出演>
◆ペルー=水口良樹:ペルーの今注目の音に加え個人的なおすすめなも熱烈ご紹介。
◆キューバ=高橋政資:キューバ音楽の今の音、そしてネット時代だからこそ見聞きできるいにしえの音をご紹介します。
◆NYラテン=岡本郁生:ニューヨーク・ラテン、そして今ラテンの様々な音までをご紹介。
◆カリブ/US/アメリカス=伊藤嘉章カリブのビート感の注目株からUS/南北アメリカに広がる今の現場を音をご紹介出来れば。
◆西海岸チカーノ=宮田信:メキシコ系を中心にラティーノ勢力が爆発する西海岸。来日するブレインストーリー他、多様化する音楽シーンの最注目アーティストの紹介を。

9/26 (火)Open 18:30 / Start 19:30
前売 \1,900 / 当日 \2,400 (ともに別途1ドリンク代\600)

晴れ豆へのメールまたはお電話にてお申し込みください。(予約がお得!)
http://haremame.com/reserve/
tel. 03 5456 8880
小学生まで無料。大学生まで\500引き。(当日学生証をご提示ください)
http://haremame.com/schedule/75742/

FBでのイベント案内
https://www.facebook.com/events/329237559609220
posted by eLPop at 19:44 | Calle eLPop

ラテン・ミュージシャン・インタビュー・シリーズ(4)岸のり子(vo)Part 2

2023.08.15

eLPop企画『ラテン・ミュージシャン・インタビュー・シリーズ』
ヴォーカリストの岸のり子さんの回、パート2です。お楽しみください!

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(聞き手は岡本郁生、伊藤嘉章)

◆◆◆◆◆◆◆
(Part 1より続く)

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(岸)
イッセー尾形(当時尾形一成)を森田雄三さんていう演出家が見込んで始めた芝居の一番最初のときに、自由劇場っていう、六本木のガラス屋の地下にあったんですけど、当時は貸してたのかな、貸ホールみたいな。

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イッセー尾形

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森田雄三

で、そこで「ボクシングエレジー」(森田雄三作演出)とかっていうのをやるっていうので、尾形さんと他何人か役者さんがいましたが、みんなまだアマチュアみたいで。そこに私は衣装担当で参加したんです。
だから、こういう場合みたいにスタッフで頼まれて入ったりとか、役者で入ったり、そういう芝居現場をあちこち行ったんです。

ともかく何でもいいから芝居作りに参加したいと思って。だから、スター的喜劇役者の三木のり平さんの指導で、大衆演劇までやりましたよ。ともかく芝居現場に関わっていたかった。

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三木のり平

で、戻りますけど、その「ボクシングエレジー」の衣装係の時は、少ない予算なので地下足袋を買って、あの、ボクシング用の靴にリメイクしたり。

――それを作ったんですか?

そう。それから白い下着のランニングを買ってきて、染粉のダイロンで染めて、カラフルでポップなボクサーの衣装にしたりとか、なんかそういう、衣装を作るのも好きなんですね。

――あああ、それでやっぱりLas Perlas(ラス・ペルラス)でも・・・

そうそう(笑)。
だから、衣装作ったり、小道具作ったりなんかするのは好きだったので。あんまり大道具で呼ばれることはなかったけれど、まあ、衣装ぐらいだったら。こう、あっちこっち参加したり、勿論役者でも呼ばれたりとかする。

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Las Perlas

要するに稽古や準備で公演の機会の少ない養成所だけでは物足りなかったんですよね。
幸いにもあっちこっち、ちっちゃなアングラ的劇団が活動し出してる時代だったんですよね。   

その尾形さん、森田さんもその「ボクシングエレジー」、それがそもそもあの時が一番最初で、それからその2人がだんだんメジャーになっていくんですよね。

――そうですよね。結構有名になりましたもんね。ええ。

その一番最初のところです。

――じゃ、のりこさん自身は、青年座系列の養成所からとは言え、劇団に所属したってことはないんですね?

劇団に所属してないんですよ。してないで、結局、そうそう、あっちこっちにフリーで。あっち行っちゃ、何ヶ月かなんかやって、こっち行っちゃって……いうのをやってた。

芝居ジャンルを問わないものだから、そうすると、そのアングラの過激な芝居とかも、わけわからず一所懸命やって、気がついたら上の衣装が余りに透けてて上半身裸だったとか、そういうことがあった。気が付いたらね(笑)

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青年座

――気が付いたら、って(笑)

そういうの、あるんですよ。気が付いたらそういうのがあって(笑)。
その時なんて、たまたまジャズ喫茶の横にアングラの芝居小屋が新宿にあったんですね、歌舞伎町の中に。
それで、司法試験浪人中の弟がジャズ喫茶よく行ってたんですよ。で、ある日弟が「隣の劇場にさ、なんかお前に似た写真が……ネグリジェみたいなの着て、ちょっとアブないやつ映ってたけど、あれお前?」とかって言われて、なんか……(笑)
(アングラ芝居)

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ネグリジェ(イメージです)

――その写真、そうだったんですか?

そう。何しろ何事も一所懸命だから、そういう感じでやってたんで。

――そのジャズ喫茶の名前って覚えてます?

あ〜、なんだっけ……。でも調べればわかるんじゃない?
あのね……西武新宿駅側に「キャバレームーランルージュ」があって(*現在のドンキホーテ新宿東南口店あたり)、のちに私がそこで専属司会をやるんですけど、あ、それ(のりこメモに)書いてないですかね。
それで、その隣がそのアングラの小屋でその隣が、ジャズ喫茶「タロー」……なんかそういう名前だった。

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「ムーランルージュ」(新宿地球会館)

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ムーランルージュ店内

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「タロー」の紙マッチ

――いまの話とか聞くと、やっぱりあれですね、ラス・ぺルラスにしてもね、ほら、衣装作ってたっていう話もありますけど……
のりこさんのステージ見てると、なんて言うかな……演劇的って言い方はちょっと違うかもしれないけど……なんかね、ほかの歌手の人とちょっと違うなぁって。“舞台慣れ”って言うのか、ただ歌うだけじゃなくて、やっぱりそのへんがね、“巻き込み方”が上手いなあって思って。


“巻き込み方”って……(笑)
雰囲気作りはしたいな、と思って。だから、例えば小道具一個にしても、「なんだろう?」って思ってもらって、そう誰かが思ったら、「あ、きっと、もしかしたらそういう事なんだな」って言うヒントぐらいの……。
小道具の存在感でもいいんですけど、それでなんかこう全体の表現に繋がっていって、というのが、歌のステージや曲の作り方も全部そうなんですよ。芝居から来てる。

――曲の作り方、っていうのは?

うん。あの、あれでそう思ったんです。ちょっと話が飛んじゃうけど、アルバム『恋の12の料理法』(2013年)の時に、やっぱり芝居の要素が入ってきて、それで1曲1曲を芝居や映画の様に作って、聴いてる人に絵が見えるようにしたいっていうのが、作り方だったんですね。

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『恋の12の料理法』

――たぶんそれ、本当にあのアルバムの1曲ずつもそうだし、常にこう、ステージ見せていただくと、そういう感じがするんですよ。

でね、無駄だと思うこともあっていいと思ってるんですね。それが何の役に立つの?っていう。で、なくてもいいんじゃないって言えばそれまでなんだけど、やっぱりちょっと欲しいのよね。

で、それは、私自身がこれがあるとすごくイメージを作りやすいっていう場合があったりすれば、それが私のためでもあるし、お客さんがそれを感じ取ってくれる場合もあるからね。やっぱりその、芝居の経験がそうなってきたっていうのはありますよね、うん。

――そう、そういう感じがするんですよ。しかも、あんまりそっちに行き過ぎちゃうと芝居になっちゃう、っていう場合があったとして、そうなっちゃいそうなときに、のりこさんが上手いのは、そこ行きそうになると、バサ!って切って……。あれがね、いつも、すごく上手いなぁ、と。別にヨイショしてるわけじゃなくてね。

うん。何も……焼き鳥一本ぐらいしか上げられないけど(笑)。

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焼き鳥一本

――あざ〜〜〜す!

バッサリ切っているのかな?

――回収の仕方っていうか、こっちに行き過ぎちゃうと、「あー、なんかあれだな、トゥーマッチだな」っていうところで、フッとこっちに返して、なんかすごいその辺のね、こう、交通整理というか、なんかこう、持って行き方がうまいなあって思って。だからあの……飽きずに楽しめるって言い方は失礼だと思うんですけど、すごいメリハリがあって楽しいなあ、と。
お若い頃から、歌ってる時に、お客さんとのコミュニケーションっていうのは……


それができなかったのよ、最初は。

――最初はじゃあ、そういう演劇的な、っていうことはなかったんですか?

全然。やっぱりだから、あとで出てきますけど、やっぱりそれができ始めたのは、あのね、つい最近……っていうのに近いと思う。

――そうなんですか。最近っていうのはいつ頃のはなしですか?

やっぱりあの……ステージで、よく、「あがらないですか?」とか聞かれる事あるじゃないですか。
私も初めて緊張であがりそうな事があったんですね。以前六本木にあった「スイートベイジル」で、寺井尚子さんと、私のCD発売記念の(ライブが)2014年1月にあったんですよね。

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スイートベイジル(STB139)

CDのメンバーとルイス・バジェと藤井摂ちゃんを足して、寺井さんと私、っていうのがあったんですよ。で、その時にその、ものすごい、なんだろう、大好きな会場なんですが、結構こう……緊張する感じの空間で、ただでさえ寺井さんとのステージはボルテージ上がるので……。お客さんの顔が凄く見える客席なんですよね。

で、その時に緊張と高揚マックスの中、すごく感じたのは、客席があの、カボチャ、カボチャ畑に……なんか失礼な表現ですけど、そう思うと皆さんカボチャに見えてカボチャが私を見に来たんだから大丈夫、って。こんな時、最初に雰囲気に飲み込まれちゃうとダメだから、飲み込んでかかるっていう事がやっとこの時、自分で掴めたんですね。

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かぼちゃ

だから、常にそういう感じで自分が主導して、指揮して、全部この何時間を動かすんだっていうぐらいの気持ちで……になるのは、そのステージの時にちょっと感じたんですよね、

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2014年「スイートベイジル」楽屋にて

まあ、自分の思ったとおりに行かない場合もあると思うんですけど、でも、なんかこう、全然その変なとこですごいクールな……こっちの方で、頭のどっかでそのクールな自分がいて、それをこう全部こう、動かすっていうか……っていう感じになったんですよね。

――じゃ、客観的にっていうか?

でも、それが自然に、自分の中では別にこう、何て言うの……なんかもう、そういう風になっちゃった、っていう感じです。

――そのへんのタイミングから、だんだんと、そういうふうになっていった、と。

うん。そのあたりぐらいで、なんかちょっと、なんか少しこう、グッと上がったっていうか、自分がこう上がったんだなって言うのは、あの〜……だから、不安が無くなった。
やっぱり、メンバーに対してこちらの不安感、自信の無さがあると、出ちゃうじゃないですか。でもそれがなくなって、もう、私が全部仕切って大丈夫、と言う空気感はリハーサルの時から始まっちゃうみたいなものがあるんですよね、うん。

――それが体についてきて、もう自然に出るようになった時に、なんか「あ、これって演劇っぽい」って自分で思ったこと、あります?

演劇っぽいとか、わからないんでですけどね。
メンバーに対しても、勿論リスペクト欠かさず、また力を貸してもらいますけど、うん、なんか私が不安だったり引いちゃうと、向こうもできなくなっちゃうこととか、あるじゃないか?っていう気がして。
でも昔の、内気な、あんまり前に出て行かない自分から比べたら、すごいなと思ったりするわけで……「ずいぶん成長されましたね」みたいな(笑)。そういう感じがありますよね、うん。

――やっぱり、内気な自分じゃ出来なかったですね、それは。

いや、その間に、すごいハードな海外での生活があるので、やっぱりその、揉まれて揉まれて揉まれて塩もみこまれてみたいな感じの(笑)。 なんかそういう感じで来てたので、それも自分から好んでやってたので。で、結局こうなっちゃったんですよね〜っていう感じなんですけどね。

――海外ってやっぱり、自分を出していかないと負けちゃうとこあると思うんですけど、でも、その時でもまだ内気な自分との葛藤と闘いだったんですか?

いや、海外……まあ、キューバ行ったときはもう、開き直って行ってましたね。

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――ちょっと戻りますけど、要は72年に……まあ、去年50周年ということなんですけど、(のりこメモにある)「先輩に誘われたアルバイト」って、これはどういうものなんですか?

芝居の先輩に……私がその、さっき言った、最後に養成所では私は三期生なんですよね。それで、その先輩の二期生、一期生っていうのは、ほとんどまあ同じところでもたまにすれ違ったりする位しかない。
そうしたらある時、私がバイトしてたところに連絡があって。そこは芝居の卵達が皆「歌」兼でウエイトレスている様なクラブで、その店に私を探して電話かかって来て「岸さんて歌、歌えるんでしょっ」て、その一期生の先輩から連絡があったんですよ。で、「1週間後に(山形の)酒田に来てくれない?」って言われたんですよ。

――酒田?

それが、その先輩達はあの……"舞踏"っていうの、白塗りで踊るそういうのもやってたりして、その時は先輩たちはその舞踏のグループから出て、キャバレーでパッケージショーをやったんです。昔はショーをやる様な大きなキャバレーがまだあったのでね、地方とか特に。
それで、そのパッケージショーで、ダンサー男女ふた組……4人と歌手1人っていうので回ってたんですよ。

それで、こういうバイトしてるからって……彼らもまあ、みんなダンス習ってたりしたから、踊れるんですよ多少はね。それでその時に……今でも思うダンス用の無謀なアレンジ譜面。クインシー・ジョーンズの曲とか「燃えよドラゴン」とかっていうのやったりとか、難しくてちゃんとしたオーケストラでも練習しなきゃいけないアレンジで、譜面見ての打ち合わせだけではそれは無謀だと思った……まあ、私も後からわかったけどね。

当時のキャバレーショーの業界では思い付かない、なんていうか超オシャレなことをやってるんですよね。それでそのショーでは振り付けも衣装も曲もオシャレで、また高難度のアクロバット技も入れて、最後にブラジャー取って、半裸になるわけですから、女の子なんかはね。頭でっかちで芸術性も追ってたので、地方のキャバレーでは受けず、唯一都内のキャバレーで音楽を良く知ってる様なミュージシャン達には面白がられましたね。

そこに、急に歌手の穴埋めバイトで呼ばれて。要するに歌手がすぐに辞めたい、なんか、もめたのかなんかで辞めたいって言ったんでしょうね。で、酒田のキャバレーに1週間後に入れと。
1週間で譜面作って、衣装作って、歌詞覚えて来てくれない?って言われたんですよ。それで、プロダクションがあるので、譜面も作ってくれて、で、衣装も、もう早速ワーってなんか有り合わせとなんかでやって、1週間後に、酒田の「白ばら」っていう大きなステージのあるキャバレーに行ったんですよ。リハも無く打ち合わせだけで、いきなり歌ったんですよね。

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酒田「白ばら」

そのときの曲が、ええと「スピニング・ホイール」って、あと、オープニングは「ダンス天国」。

Blood, Sweat & Tears - Spinning Wheel

https://youtu.be/SFEewD4EVwU

ダンス天国/ウォーカー・ブラザース


https://youtu.be/eQ_2zCHgJ5A


それから合間に、私はカーペンターズの「スーパースター」とか、私の知ってる曲、「よくあることさ(It’s Not Unusual)」……トム・ジョーンズとか。
ラジオやテレビで聞いてて、ちょっと鼻歌で歌えるぐらいの曲を譜面にして。

カーペンターズ Carpenters/スーパースター Superstar (1971年)

https://youtu.be/z6rar0kIZ44

It's Not Unusual/Tom Jones

https://youtu.be/k-HdGnzYdFQ

――それは、のりこさんが選曲するわけですか?

そう。だって、私が歌えるやつから選ぶしかない。

――地元のバンドですか?

そうそう。地元のキャバレーのバンドだから人数多くても、まあ、大したことないわけですよ。普段決まり切った歌謡曲ばっかりやってるわけですから。

それでもう、何の曲だったか最後まで辿り着かず、ちゃんと着地しなかったりするわけですよね、なんか「え!?」みたいな感じの(笑)。
振り付けでは、エンディング間近に女の子はブラジャー取って、後ろ向きに男子に脚を担がれるわけ。で、男の人は顔にマスクして黒い水着の様なパンツちょっとエロチックで神秘的でモダンな雰囲気で。
で、こうやって後ろ向きに担がれたと思ったら、途中で演奏が終わったりして。ちゃんと見せ場のエンディングに行かなくて、めちゃくちゃ(笑)。

――へぇ〜〜〜、それで結構回ったんですか?

半年ぐらいやったんですよ。

――いろんなとこで。

そう、地方、都内も。いきなり、歌のアルバイトがこんなに稼げる、って……。芝居やってると、ホステスやるかなんかしかないわけですよね。男の子の高収入バイトは、うん、病院の検体のお世話とかね。

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銀座で歌っていたバブリーな私

――ああ、なんかありましたね。昔ね、バイトで。

他は着ぐるみに入ったりとかね。私もやりましたけど、大変!
だからやっぱり歌うのはあんな楽しくて、お金稼げるっていうのは面白いなと。

――結構なお金なんですか?

ずいぶんピンハネされてるに決まってるんだけど、でも、私たちにしてみたら、1日1万5千円ぐらいもらったのかな?当時。だから……。

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1万5000円

――結構いいですよね。

だから、それで半年ぐらい、なんだかんだあっちこっち回って。で、まあ、ちょっと落ち着いて勉強しようと思ってジャズの先生行ったりして。あ、ちゃんとやろうと思ってその、ジャズクラブとかレストランクラブ……。
レストランクラブですね、割と。主にそういうところで歌ってましたね。

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銀座会員制レストランクラブシャリバリ店内

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銀座の会員制レストランクラブのシャリヴァリにて。1982 33歳

――レストランクラブですか……

あのね、当時はね、あったんですよ。銀座あたりに会員制のレストランクラブとか言って。うん、生演奏でね、そういうのが銀座に結構あって。で、私は一店で30分歌って、ピア二スト、時にはベーシストとも駆け出して、次の店行ってまた30分歌って、わ〜と。 あと、終わってから深夜三軒目の赤坂の店で歌ったりとか。

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赤坂の知人のオーナーのクラブで

――それはもう完全にジャズ・スタンダードみたいな感じなんですか?

うん、いわゆるスタンダード・ジャズ。要するに、ナイトクラブミュージックっていう……

――あ、はい。

ゴリゴリのジャズじゃなくて、

――割と優しいメロディというか……

そうそうそう。
であの時代、ちょうど阿川泰子さんが出てきてたんですよね。だから「阿川泰子みたいに歌えないの?」とかさ、よく言われましたけど(笑)

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阿川泰子

――みたいに……て言われてもね、って感じですけど(笑)

「そんな元気よく歌わないでさ」とか、よく言われましたよ。

――ああ、そういう意味ですか。

バブルがはじける前だから、景気良くてものすごく稼げたんですよ。

――どなたに習ってたんですか? レッスンとか。

水島早苗さんとマーサ三宅さんクラスにも行きましたが、ただ、あたしは、あんまりそこには長くなかったですね。ちょっと、何て言うんだろう、自分が思っていたジャズの発声とかジャズの理論のレクチャーとか、なんかそういうのがあるのかなと思ったら、やっぱり望んでたのとちょっと違ってたんですね。今だったらね、きっといろんなやり方があると思うけど。

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マーサ三宅

――のりこさん、最初からミーハーでずっと来てて。で、ビートルズに行って。で、その頃になると、どういうふうなのを聞いてたんでしょう?

あのまあ、仕事がらみで聞いちゃうところがあったので、そうですね、もう、なんでも。バーバラ・ストライザンドから、あと、エスター・フィリップスとか、ベット・ミドラー。ポピュラーですね。
ジャズ・ボーカルではエラ(・フィッツジェラルド)とか好きでした

――でも、さっきので言うと、ブラッド・スエット&ティアーズ(BS&T)とか?

それはうん……やっぱりまだあの、歌うっていうことにあんまり興味がなかったので、ただ単純に、うちの兄が聞いてたものを聞いてたりとか、あと何だろう……?
だから、あ、「ダンス天国」はうちにレコードがあったから。たぶん、好きだったんですよね。

――まあ、いわゆる流行りものを聞いてて、ということですね。

カーペンターズとか……

――ラジオとか?

それがまず初めでしたね。

――たまにLP買ったりなんかしたんですか?

そうですね。うん、そうそう。 LPっていうか、昔だからシングルですね。

――(のりこメモには)この時に「第1回の結婚離婚」って書いてますけど。

そんなこと書いてた? 初代の方は、一関の方ですよ。

――え?

一関出身でしたよ、初代は。はい。3歳年下で、ルックスは沢田研二似で、自称“一関のジュリー”。憧れのトランペットはニニ・ロッソでした。

――ニニ・ロッソ!(笑)

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ニニ・ロッソ

で、あの、結婚の動機というか、私、それ、すごい不謹慎だなって自分で思うんですけど、高校のときに、クラスでメモがこう回って、いろんなことを……自分の目標を宣言するメモが回ってくるんですよ。「あなたのなんとか宣言」みたいな。そうするとみんな、「私は髪の毛をこういう風にイメチェンします」とか、「なんとかの本を買います」とか、なんでもいいんだけ
ど、やりたいことを宣言するっていうのが、授業中に回ってくるんですよ。うん、先生には内緒でね。
そこで私「30歳になったら結婚します」って、書いたんですよ。
それだから、30になったら結婚しなきゃいけない、っていうのがどっかに頭があって(笑)、たまたま30の時にそばにいた方が、ちょうど30ぐらいじゃないですか……

――でもまだ30じゃないんじゃないですか? あ、多分じゃあ、もうちょっとあと……30歳のとき結婚なさった?

そうですそうです。 30のとき。

――一関か〜……

そう、一関のトランペッターで……。まあ、一関で吹いてたわけじゃない。東京でね、うん。
この時に私はジャズ・ボーカルのレッスンを受けながら、新宿の「ムーランルージュ」っていうキャバレーがあって、そこに司会で入ってたんですよ、司会と歌で。で、そのときに知り合ったんです。同じ職場で、うん。たまたま近くにいい人が……すごく普通のいい人がいて。

それであの、不謹慎にも、単純にその「30で結婚したい」と言ったことが、なんかどっか頭にあって、約束だったしな……みたいな(笑)。

――誰とも約束したわけじゃ〜ないですけどね(笑)。
で、のりこさん、メモにある、自己のフュージョン・バンドでライブ活動中、『セリア&ジョニー』に……というのは、その、ジャズクラブで活動してて、同時にフュージョン・バンドもやってらっしゃったということですか? それとも、銀座で出たりとかなさってて、その後にフュージョン・バンドですか?


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Celia y Johnny

はい。そうですね。そうすると、ラテンに知り合うわけだから……多分そういうことじゃないの? 違う? 昔のことはわかんなくなっちゃった(笑)

――そのフュージョン・バンドってどんな感じだったんですか?

いや、えっと〜、ただバンドに打楽器がいるっていう感じですよね。サンタナの、なんだっけ、弟のホルヘの……マロ、なんかあの辺の曲とか、サンタナっぽい感じのとか、あとエディ・パルミエリだとか、なんかそういうの、みんなやりたがってやってたんですよ。だからそう、私もエディ・パルミエリの曲かなんか、歌いましたもんね。男っぽいやつ、もう一人ヴォーカルがいて。
そういう風にして、どんどんラテンぽい方に近づいていったところなんですよね。

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フュージョン・バンドをやるきっかけとなった自己ライブのフライヤ
Noriko Kishi and Happy Guys "SAVANNA" コンサート(1978)


――それは、知らず知らずのうちに、っていうことなんですか?

そうですそうです。知らず知らずですね。
で、それこそその『セリア・イ・ジョニー』に出会ってびっくりの時。

――それ、どういう経緯で?

やっぱり、こんなのあるよね〜とか、いろいろ選曲したりしてて、それこそあの、新宿にそのとき「コタニ」ってレコード屋さんがあって、一階にその売り場があったんですよね。で、そこでかけてもらって、『セリア・イ・ジョニー』を。あそこは結構ボリューム出してかかるから、うわー! こんな……え!? これ女の人っていう……セリア・クルスの声! まだサルサという言葉もジャンルもやっと一般に伝わり始めた時代だったんですよね。

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新宿・コタニ

――どんな感じでしたか?

もう、なんかこう、ゾクゾクしてくる。
もうあれ、本当にショックっていうか、ものすごい衝撃だったんですよね。
こんな音楽があるっていう……しかも、こういう歌を歌ってる女の人が居るっていうのは……女の人の声とも思えなかったし、すごいな、と。

――70年代半ばぐらいですよね?

そうですよね、きっとね

――(アルバムのリリースがたしか)74年とかだと思うので。

うん。たぶんその少し後ぐらいかなと思います。で、すぐにはあの……オルケスタ246もご縁がなかったし、その後に……その、すごくあの衝撃を受けたけども、まあ、そのバンドでちょっとやってみたりしたんですよ。「トロ・マタ」とか「キンバラ」とか、まだもう、全然わけわかんないでやってましたね。
新宿の専属仕事を辞めた後はいわゆるクラブ……あちこちの銀座のレストランクラブで歌ってたりとかしてたんですね。

――それはその「トロ・マタ」なんかも歌ってたっていうことですか?

そういう曲は自分たちのバンドだけでやって。あとはアルバイトとして歌ってたのは、そのジャズクラブみたいなレストランクラブみたいな。

――そのフュージョン・バンドは名前はあったんですか?

「ブライト」ってつけてた。でも最初は名前なくて。

――じゃあ、どこかに出るので……

そうそうそうそう。ライブも何回かやってから、じゃあブライトにしようね、って言った途端、バンド自体なくなくなったの(笑)。

――でも、「フュージョン・バンド」って書いてるってことは、やっぱりラテンっていう意識じゃなくて、フュージョンっていう……。

当時は曖昧な表現でフュージョンて言ってた気がします。バンドはもうともかくパーカッション入りの、なんか管も入ってる……そういうのを自分たちがやりたくて、いろんなその辺の、そのあたりの音源からコピーしてたんだと思います。

――当時、おそらく70年代半ば、日本でもサルサ・ブームみたいなものが来てるころで、76年にはファニアオールスターズが来日したりっていうことがあるんですけど、その辺の音源は?

私はその頃、ラテンもファニアも全然知らなかった。

――あ、そうなんですね。

全く。うん、全くわかんなかった。それでその後に、それこそあの、私の知ってるミュージシャンとか、そのボーイフレンドたちとかがみんな、前の旦那もそうなんですけど、一関のね……一関のあの、ニニ・ロッソ(笑)
それがあの、キューバン・ボーイズの解散前位なんですけど、それなんかによくトラで狩りだされて行ってたぐらいだから、ニニ・ロッソもね(笑)。
だから私は、キューバン・ボーイズって、名前だけは知ってたんですよ。 だけど、「あ、そうなの」っていう感じだけで、全然ご縁もなかったし、ラテンの方にそんなにご縁がまだ出来てなかった。

――その時、のりこさんってやっぱりジャズに近かったんですか?

わかんないけど、まあそうでしょうね。多分ね、あの歌ってるものは。でもま、はっきり言って、方向もわかってない……うん。でもセリア・クルスっていいなぁ!なんかこういうドキドキするのいいなあ、って思ったりとかはしてるんだろうと思うんですよね。

――じゃあ、もっとセリアを聞いてみようとかって集めたりとかって……

ああ、もちろんそれは。うん。でも結構プライベートもそのころガタガタしてるのでね。

――あ、そうですか。

そうそうそう(笑)。なのでまあ、その後、あの、一関の方と別れてから、オルケスタ246か……に行った。あの、話があったっていう……。

――ここにいただいた(のりこメモ)の中だと82年……。

はい、多分82年ですね。

――もうそのトランペットの方とは別れて……

トランペットの方と別れて……はい、はい。

――246のどなたかから、話があったんですか?

あのね、バイオリンの中西俊博さん。彼が私の友達とバンドやってたんですよね。バンドのメンバーで飲み会みたいなのがあって。で、私と中西君が知り合ってはいたんだけど……で 、「ナニ? じゃ、サルサやりたいの?」とかって言われて。で、「あ、そうなんだったら、246って僕やってるんだけど、時々ボーカルの人探してるよ」っていう話があって。
それを数年前、中西君に「どうもありがとうね」って言ったら、「僕は覚えてないや」って(笑)。

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中西俊博(vln)

――ありがちですね。

「そんなこと言ったの?」っていうから「そうなの。あなたがそう言ってくれなかったら、私はここにはいないのよ」って言ったんだけど。

――それ、いつですか?

その話したの、何年か前なんですけどね。 中西君ともなかなか会わないから、なんかの仕事で会った時ですよね。

――でもその時はもう、のりこさんの中ではこう、サルサっていう意識はあったんですよね?

憧れですよね、うん。で、勉強する方法もないし、何もないから、どうなるんだろうなって……日本にもバンドがあるのも知らなかったから。それでその、たまたまそういう話があったから、もう喜び勇んで行って、もう、わかんないところから、ゼロから教えてもらって。

――なんかオーディション的なこと、あったんですか?

いや、そうじゃなくて、もう、すぐ。
ミッチー須永さん(須永アリサさんの母でラリー須永夫人)の後釜で。

――ああ、それいいですね。

うん。やりたいんだったら、もう、来て、明日から歌えみたいな感じで。リハやってたところにバイオリンで森村あずささんがいて。

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オルケスタ246。(左から)森村あずさ(vln, coro)、中井(vln, coro)、ヘンリー広瀬(fl, coro)、岸(vo)、斎藤不二男(perc, coro)

あずさがよく言うけど、私がその当時、私のファッションはあの……紺色のスーツだったんですよ、リクルートスーツみたいな。それで、秘書……イメージは秘書だったの。髪の毛もこう、ロングヘアで緩やかにこうやってそれでカバン持ってハイヒール履いて(笑)。
なんでかね。その時、多分、私、銀座で歌ってる時に、ご年配のお客様が多くて、そういう方たちと食事行ったりなんかする時があるんですよ。そういう時に歌ってる時の衣装とはガラリと変えてお嬢さんっぽく、派手な感じよりも普通な感じっていうのに寄せてた感があります(笑)

――じゃ、あずささんも、それを見てびっくり……

それを見てね、なんだろこの人は?って(爆笑)。彼女は、私の最初の時のことを覚えてて、よく言うんですよ(笑)。なんだろう?って。いきなりみんなすごいからね、男の人ばっかりで。
私からすると、あずさがいることがおかしいんですけどね。あんな中に、「誰? 子供連れて来ちゃダメじゃない?」って(笑)。私は「誰の娘さん?」って(笑)思いましたからね。うん。

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森村あずさ

――当時、彼女も20歳そこそこみたいな感じでしょう。

そうですそうです。まだ学生だったのかどうかっていう感じですよね。 そんな時代でした。

――でも、246で鍛えられたっていう。

そうですね。はい、鍛えられました。わかんなくて。「トロ・マタ」の頭ってどこなのか?とかさ、どうやって入るの?みたいな。 ♪キンバラ〜……どこが頭なの、って(笑)。要するに、みんなも、ミュージシャンの人たちもそうだったけど、譜面の書き方も、なんでベースが頭をこう……食っていくのか? みたいなね。

――なるほど。

で、やっと、いろいろみんながわかってきたところでしたね。私はなんでだったかな? ……あの、スペイン語をカタカナで書いてあるんですよ、こういう歌詞だからって渡されたのが。たまたま私、幸運なことに従姉妹がスペイン語の先生だったんですよ。

――へぇ〜〜〜

それでもう、習いに行って。そっから始めたんですよね。だから全部その、書いてある意味がちゃんと、書いてあることがこれであってるのか、カタカナじゃなくてスペイン語で書きたいと思って。
で、みんなはもう、耳で覚えてるから……。耳でこう、拾ってるんですよね。確かに、すごく近い。いいんですよ。そうは言ってないんだけど、そういうふうに聞こえるわけですから。
それぐらいでやってたところに、私はやっぱりどうしてもあの、スペイン語でちゃんとやりたいっていうので、調べ出したりとかしてやってきましたけど。

――じゃあ、246に入ってからその従姉妹の方に……。

多分そうだったと思いますね。
246で「トロ・マタ」ってどういうこと?って……。トロは牛だし、マタは多分なんか殺すってことだからって言われて。
でもどういう意味の曲なんだろうって思って私、従姉妹と2人でキューバ大使館に連絡して……まあ、セリア・クルスがキューバ人だと思ったからなんですけど。

対応して貰って、セリアはキューバ出身だけど在アメリカだし、それで結局、これはキューバの歌じゃないよって言われて、原曲は他の国だよとかいう感じで。で、これはこういう意味だよって教えて貰いました。

ああ、そうなんだって、従姉妹はスペイン語の先生でも、やっぱりちょっと、要するにそういうのはちょっと理解しづらい……ああいう歌詞は文法的にこう、ちゃんとしてる文章ではないですからね。あとその、いまだに分かんないな……背景を知らないと理解出来ないところも出てくるんですよね。

だからそれぐらいだから、例えば「キンバラ」の曲などは"♪キンバラキバ〜"ってなんですか?」って言ったら、それは意味がないよって言われて。うん。それは擬音……音だからって。
だからそういうことも私たちわかんなかったから、私はそれを調べたい。それで多分その、246入った時に、多分本格的にスペイン語勉強始めたんですね。

――246って、リーダーは誰なんですか?

その時は、ヘンリー広瀬さんです。
その時は、っていうのは変だけど、やっぱりその前に斉藤不二男さんだったかがやってたかなんかして。で、やっぱりその、リーダーって難しいじゃないですか。 あの強者たちをね、束ねるわけですから。で、かといって束ねすぎてもダメだろうし。だからその難しいところで、やっぱりそのヘンリーさんに回って来たみたいな感じなんじゃないですかね。 私が入った時はヘンリーさんです。

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ヘンリー広瀬

――のりこさんは、82年からで、どのぐらいまでいたんでしたっけ?

これはあの、246の歴史と同じで、やっぱりそのちょっと自然消滅的になっていくんですね。それはあの、音楽傾向が違ったり、考え方が違うっていうのが出てきて。で、やっぱり編成からするとバイオリンが入ってホーンセクション、トロンボーンもいたりしてラッパもいたり……ま、ラッパの方たちっていうのはスタジオミュージシャンだから空いてる人がくるっていう感じだった。

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オルケスタ246 石山実、ヘンリー広瀬、岸、納見義徳

で、あと基本のメンバーがいて、で、バイオリンも入ってるわけですから。 やっぱりその、どういう傾向で行くのか、ニューヨーク……ウィリー・コロンじゃないんだけど、やっぱそっち系統に行くのかな。あとその、歌ってた石山実さんなんかはどっちかっていうとキューバっぽいのがお好きですから。だからやっぱりその内容……音楽がだんだんだんだん、やっぱりみんな色々わかってくると、各自好みがね。やっぱりあれだけの人数が集まってると、やっぱりそういうことは嫌だとか、こういうことはいいとか、やっぱり話が違ってくることもあって。
ただ、私なんかびっくりしたのは、246入ったらいきなりあのライブに、ラム酒の瓶がここ(足元)に置いてあるっていうやつですよね。

――飲みながら……

そうするともう、やっぱり最後にグチャグチャになっちゃったりするんですよね。それとあと、ラッパの人たちも入れ代わり立ち代わり入ってきたりで、やっぱり楽しけりゃいいっていうのと、やっぱりちゃんとやりたいなって言う人との違いが出てきますよね。(音楽の)傾向と言うのと、他にそのやり方の考え方がね。そういう問題がやっぱり出てきたんだと思うんです。

――そういうのはやっぱりあれなんですか? まあ別に、諍いじゃないでしょうけど……

諍いにはならないんですよね。「うん、あー、違うな」みたいな。 ちょっとあれ、僕は好きじゃないなとか、やっぱりあるでしょうし。やっぱり違う考え方があるから、だんだんその……なんでしょうね。だんだん(ライブも)減ってきて、うん。

――出てたのは、クロコダイルとかでですよね?

いいえ、六本木のホットコロッケですね。クロコダイルはまだ出てなかったです。

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ホットコロッケ

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オルケスタ246@ホットコロッケ。(左から)石山実、岸、森村あずさ


そしてサンビスタという店はクロコダイルのオーナーの村上元一さん(ガンさん)が当時ほかに持っていた店で、そこでやってたのはハバナクラブっていうバンド。

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ハバナクラブ

ちょうど時期的に246が活動があまりなくなった頃に小泉さん……小泉猛(源兵衛)さんっていう人がやりたいって言って。最初は少し小さい編成で、246にもいた納見(義徳)さんが入ってらして、赤木りえちゃんとかもいたり……まあ毎回ではないですけど。
小泉さんが積極的な人で、元さんが特にめんどうを見てくれたので、あっちこっち、サンビスタ、その後クロコでやったり、なんかイベントを作ってくれたりね……機会をいっぱい作ってくれたんですよね。

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納見義徳

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サンビスタ

――小泉さんっていう方は、楽器は?

小泉猛さん。もう亡くなられたんですけども、ピアノです。音源も、いっぱい買い込んで、もう全員にこうコピーして渡すんですよ。それで譜面も、一晩で3曲くらい書いてきちゃったりするんですよ。で、それを……私、覚えるのがしんどくて。 え〜っ!ていうスピード感で来るから、歌はやっぱり難しいですよね、うん。勉強にはなりましたけど、しんどかったっていうか結構ハード。

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ハバナクラブ @サンビスタ。赤木りえさんも!

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ハバナクラブ プロフィール。メンバーにはボデギータの清野史郎さんが!さてどの人でしょう?画像をクリック&拡大してお楽しみください。
(正解はこの記事の最後に)




――曲はどんな曲を?

それはね、もうなんでもありでしたね。何でもありっていうのは、あの、考えたらすごくあの……誰だったかな? ……名前がちょっと出てこないですが、まああの、ニューヨーク系のものがやっぱり手に入るものはね……((Arabella, Linda Leida, Milly y Jocelyn y Los vecinos, Bobby Valentine, Frankie Ruiz のヒット曲など。)

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Arabella

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Linda Leida

――基本はコピー?

そうですそうです。 キューバ系というよりはニューヨーク。それをその、ちっちゃい編成でやるわけですよ。
打楽器が2人か3人いて、ええとフルートが入ってたり、ラッパが入ってたりとかっていう、いわゆる、管は入ってるけどちっちゃい編成ですね。でまあ、何かあった時にちょっと、大きくするぐらい。8人9人になるぐらいですね。

――ここ(のりこメモ)にも書いてますけど、(オルケスタ・)デル・ソルと一緒にやって……

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そうですね。それは246です。
西武のロフトだったね。そうそうそうそう、池袋。あれは大きなイベントだったので覚えてます。

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オルケスタ246@西武ロフト (左から)ヘンリー、岸、石山

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――当時やっぱり、デル・ソルと246ってこう“2大サルサ・バンド”みたいな感じで。

そうですね。サルサでは二つしかないんじゃないですか(笑)。 その後、いっぱい出てきましたけど……。(オルケスタ・)デ・ラ・ルスも、誕生したかどうかの頃ですし。

――その頃はやっぱりクロコもそうですけど、まあサンビスタとかもそうかもしれない……なんかお客さんが割と見に来るようになってたんじゃないですか?

246がやってたホットコロッケは、あのもう、結構すごかったですよ。なんだろう、あの当時のああいう人たち……ちょっと何て言うの? 遊び人ね……が来てたり、あと音楽好きが来てたり、ただ、それがちゃんとした音楽のブームになっていくかっていうまでは分かりませんけれど……面白そう!みたいな感じの人も多かったですよ。

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クロコダイル

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ハバナクラブ @クロコダイル。大きい編成で.jpg

――それで、ペジョ・エル・アフロカン(Pello El Afrokán)と共演ですか?

そうですね。ちょうど私がキューバに行きたいと思っている時に来日したんです。後楽園の夏のイベントに出演してて、どんなのだろうかと、見に行きましたね。
(※一度は後楽園に見に行き、他の会場でのイベントで共演。だが、場所や日時の記憶は曖昧)

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ページョエルアフロカンにゲスト出演

――じゃあ、最初にキューバ人ミュージシャンと触れたっていうのは……

そうですね。ペジョ。うん、うん。

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Pello El Afrokan

――いかがでしたか? 目の当たりにしての印象は?

そうですね。まあ、このバンドのメインの打楽器の人たちはやっぱりすごかったですよね。日本人パーカッショニストの皆さん、見に来て勉強してましたし。
あれはもう本当にその彼らの……あれがキューバ音楽全部ってわけではないし、ラテン音楽全部でも、サルサでもないわけですから。あれは彼らのあの独特なあの音楽だと思うんですけど、やっぱりそのアンサンブルの太鼓のアンサンブルのなんかこう、仕方がやっぱり皆さん、びっくりしたみたいですね。
私なんかよりは、打楽器の方たちが興奮してました。

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ページョエルアフロカンにゲスト出演。日本人ミュージシャンたちも共演。

――確かにそうでしょうね。歌手っていう意味ではちょっと違いますよね、感じ方は。

そうです。そうなんですよね。で、連れてきてる歌手も、やっぱり営業で日本に来るので、歌の女の子とダンサーと入れて……という感覚でしょ。普段はいないわけですからね。海外用に組んでくるっていう……本体にプラスしてね。

――さっき、ニューヨークかキューバかみたいな話がちょっと出ましたけど、のりこさんご自身は、当時はあれですか? なんかこう、ニューヨーク・ラテンとかは……

いや、何もその、わかってないんです。分かってなくて、だんだんやってるうちに、それこそ、セリア・クルスって、いいな〜と.それでセリア・クルスがキューバの出身だって分かってから、なんとなくその、彼女を生み出したそのキューバっていうのは、一体どんなとこなんだろうっていう……音楽もどうなんだろうっていうところからキューバ音楽に入ってたんですよね、どんどん。

そしたら、納見さんたちとかキューバン・ボーイズの見砂先生もいろいろ資料を持ってて、キューバの歌い手のやつとか、もちろんあのプエルトリコの歌手の音源も。これは納見さんがね。納見さんは歌が元々好きだったらしくて……その、本当は歌手になりたかったんだって。

――あ、そうなんですか?

(早稲田の)ハイソサエティ(・オーケストラ)に入った時は歌手志望だったらしいです。それぐらい歌にこう、思い入れがあったので、ご自分も集めてるのが、やっぱり歌のものってすごく多かったんですね。
だから私なんかは、「お前、勉強しろ」って、いろいろコピーしてもらったんですよね。

【ハバナクラブの清野史郎さんをさがせクイズの答え】写真前列ほぼ真ん中のヒゲのひと

(Part 3へ)
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『eLPop今月のお気に入り!2023年5〜7月』

2023.08.03

大丈夫ですかねこの暑さ。しかしそこに上乗せするような熱い(暑苦しい?)記事の数々の『eLPop今月のお気に入り!2023年5〜7月』をお届けします!

新作・旧作関係なくeLPopメンバーの琴線にかかった音楽、映画、本、社会問題などを、長文でまたはシンプルにご紹介します。今の空気を含んだ雑誌、プレイリストのように楽しんで頂ければ幸いです。

【目次】
◆高橋めぐみ『欧米の隅々 市河晴子紀行文集、7ボックス』(日本、パラグアイ)
◆石橋純『カントジフア@代官山〈晴れ豆)、カニサレス』(日本、スペイン)
◆水口良樹『ビクトリア・サンタ・クルス、メドラーノ家の音楽家』
(ペルー)
◆高橋政資『最近の新譜から テルマリー、オマーラ・ポルトゥオンド』(キューバ)
◆長嶺修『上毛新聞社『サンバの町それから』』(日本、ブラジル)
◆宮田信『ケッツァル『チカーナ・スカイズ』』(チカーノ)
◆岡本郁生『ミミ&トニー・スッカル』(ペルー、USA)
◆山口元一『サルサングルーブ、シャキーラ』(コロンビア)
◆佐藤由美『ジョアン・ドナート、レニー・アンドラーヂ逝く』(ブラジル)
◆伊藤嘉章『ラテン間の融合:マーク、マルマ、カロルG、ラウ・アレハンドロなど』(プエルトリコ、コロンビア、メキシコ、USA)
◆伊藤嘉章『トゥルース・レヴォルーション・レコーズ』(NY)

お楽しみ頂ければ!
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