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ビクトル・マヌエル@Club Citta 14/6/14

2014.06.15

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初来日のビクトル・マヌエル。大阪のステージの翌日は川崎のクラブ・チッタ。

ステージスタートは1:30amくらいだったか。一曲目"Dille a ella"から会場はフロアからの歌と興奮に包まれる。フロアを占めるペルー、コロンビア、プエルトリコ…とラティーノ/ラティーナがとにかく歌う(筆者も)。

ビクトルがスターへの道を決めたのは3枚目のアルバム『Víctor Manuelle』 (1996)だ。今回のライブでも3曲取り上げている。丁度筆者がプエルトリコに在住していた時期で、このアルバムのヒットは凄まじかった。全8曲の内5曲がヒット。これは翌年4枚目の『A Pesar de Todo』がリリースされるまでの間、常に曲がチャート入りしていたということだ。プエルトリコのみならずマイアミ、ボゴタ、リマなどのラテンアメリカのチャートでも大ヒットだった。だからビクトルの曲はラティーノのファンがすらすら歌うほど愛されているのだ。
 


ビクトルはヒルベルト・サンタ・ロサの秘蔵っ子でデビュー盤の『Justo a tiempo』はサンタ・ロサのプロデュースだったが、この満を持しての3枚目はセルヒオ・ジョージのプロデュース。ビクトルの実力と新鮮なアレンジが相まって大ヒットだった。

"Sonero de Joventud/若い世代のソネーロ"とあだ名が付けられたように、ただの"カンタンテ/歌手"でなく"ソネーロ/即興が出来る実力派のサルサの歌い手"と評された歌の力と、その色気のあるビジュアルと、せつない恋やままならないラテン的恋愛を歌う曲への感情移入が、この当夜の会場の歓声と同様、当時のファンが魅了された点だ。


サルサはバイラブレな音楽だが、ビクトルはこの「歌」の力でたっぷり聴かせてくれる。筆者は彼のライブは14-15回目だが、90年代後半の彼のステージは回を重ねるごとにどんどん上手くなっていってたのをよく覚えている。今回も最後の"Mi Gente"で、来場のファンへの感謝を即興の歌詞に乗せて、韻を踏みつつ途切れなく紡いでいたが、たいした安定感だった。


ファンからステージに下着が投げ入れられようと、バッグやスマホが投げられようと(危ない。スマホやバッグにサインを求めるという新手のパターン)、歌いながら丁寧にサインをして返してゆく、ファンへの対応もエル・グラン・コンボのときのようなひたすら観客第一の誠実さだった。



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[紫の下着を保持しつつスピード感たっぷりの歌をぶちかますビクトル]

バックのオルケスタは管が5本(tp x3、tb、sax)、コロx2 (一人はChegui Ramos!)、ベース、ピアノ、コンガ、ボンゴ&カンパナ、ティンバレスというフルの構成。この大所帯をプエルトリコから率いてきてくれたのが嬉しい。


演奏は強力にタイト。中心になるのは音楽監督のチャゴ・マルティネス(timb)。デビュー盤以来の付き合い。チャゴはムレンセ、フランキー・ルイス、レイ・ルイスなどのレコーディングにも加わって来た超実力派。当夜も"Pensamiento y Palabra"のサビや"Volveras"のブレイク直後など絶妙のタイミングとダイナミクスのリズム、歌のバックでのカンパナの細かい色付け、薄胴と深胴のティンバレスでの絶妙の使い分けなどさすがだった。


唯一残念なのは音響。PAはバランスとMixの音質がオルケスタの魅力を拾えきれていなかった。それでも、ステージ前では濁ったPA音の中に生音がはっきり聴こえていたのは、彼らの音量とクリアな音質とリズムがしっかりハマッてるためだろう。大したものです。素晴らしいライブを堪能の一夜。



曲目(記憶イマイチですが)
1. "Dile a Ella" (『A Pesar de Todo』)
2. "Qué habría sido de mí (『Ironias』)
3. (忘れた)
4. "Tengo ganas" (『Travesía』)
5. "Como una estrella" (『Víctor Manuelle 』)
6. "Pensamiento y Palabra"(『Víctor Manuelle』)
7. "Así es la mujer" (『A Pesar de Todo』)
8. "Apiádate de mí" (『Sólo contigo』
9. "Ella lo que quiere es Salsa" (『Busco un pueblo』)
10. "Volverás" (『Víctor Manuelle 』)
11. "He tratado" (『A Pesar de Todo』)
12. "Por ella" (『Inconfundible』)
13. "Hector Lavoe Medley: Periodico de Ayer/Calle Luna Calle Sol/El Cantante/La Murga de Panama/Mi Gente

posted by eLPop at 17:04 | 伊藤嘉章のカリブ熱中症