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「サルサ・ジャイアンツ」NORAインタビュー・その1

2014.02.28

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昨年11月に発表された第14回ラテン・グラミーにおいて“ベスト・サルサ・アルバム”を受賞したのが、セルヒオ・ジョージのプロデュースによる『サルサ・ジャイアンツ』だ。これは、2012年8月にクラサオにて開催された<クラサオ・ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル>にて、ライヴ録音されたものである。
実は、オルケスタ・デ・ラ・ルスのNORAがこのライヴに出演して帰って来た直後にインタビューをして、10月号の月刊「LATINA」にて一部をご紹介した。

そのときはまだリリースも決定しておらず、どうなるかな…?という状態だったのだが、いまや、ラテン・グラミー受賞、さらに本家のグラミーにもノミネート(惜しくも受賞は逃したが…)。しかもいま現在(2014年2月末時点)、サルサ・ジャイアンツはマイアミおよびメキシコで公演中(NORAも参加!)という大活躍ぶりである。

そんなわけでここで、「LATINA」に収録し切れなかった分まで一気に蔵出ししちゃいましょう!
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まずはちょっとお勉強。

クラサオは、カリブ海、ベネズエラのすぐ北側に位置する島(英語ではキュラソー)。長らくオランダ領で1954年以来オランダ領アンティルに組み込まれていたが、2010年にそれが解体。現在は、オランダ(本国)、アルバ、シント・マールテンとともにオランダ王国を構成する国、ということになっているらしい。リキュールのキュラソーは、この島のオレンジの皮を使ったことからその名がついたものだそうだ。

日本では昨年、王選手の記録をあっさり抜き去ってホームラン60本をかっ飛ばしたバレンティンの故郷として一気に有名になりましたよね。

そして<ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル>といえば、ジャズ・ファンにはおなじみ、オランダで1976年から続く有名なジャズ・フェスである。クラサオで開催されるようになったのは2010年から。2012年は3回目で、8月31日には、サルサ・ジャイアンツはじめ、ディジー・ガレスピー・オール・スター・ビッグ・バンド(リーダー:パキート・デリベラ)、ジル・スコット、ルベン・ブラデス、アラン・トゥーサン、サンタナほかが出演。翌9月1日には、マーカス・ミラー、ジョシュア・レッドマン、アリシア・キーズ、ランディ・クロフォード、マナ、インディア・アリーといった、ジャンルを超えた豪華なラインナップが登場した。

ちなみにセルヒオ・ジョージといえば、80年代後半から90年代にかけて、ニューヨーク・サルサ新世代のサウンドを支えた名プロデューサー。
RMMレーベルでティト・ニエベス、デラルス、マーク・アンソニー、インディアなどの大スターを世に送り出し、独立してからも、ヒップホップ・サルサのDLGなどをプロデュースするなど、常に時代の最先端を突っ走っていた才人だ。
それがどういうわけか、2000年代に入ったころからあまり名前を聞かなくなっていたのが、マイアミに拠点を移して09年、トップ・ストップ・ミュージックを設立。第一弾アーティスト=ルイス・エンリケのアルバム『シクロス』が大ヒットを記録して見事に復活を遂げた。その後も、バチャータのプリンス・ロイスなどを手がけ、再びヒット・チャートを賑わせる活躍ぶりである。
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ではさっそく、NORAに語っていただこう。
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クラサオは3回目か4回目、前回はデラルスで、今回が20年ぶりぐらい? 毎回、ライヴも盛り上がるし、お客さんもいっぱい来るし、トラブルもない、オフのときは遊びまくり、っていう経験しかなくて。今回もすべてが素晴らしかった。いい島です。英語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、パピアメント語、4ヶ国語をみんなしゃべるんですよ。精油所があって、豊かで、朗らかなんです。シーフードが多くて、コンク貝とか海老とか美味しくて。今度はデラルスで行きたいですね。ビザが必要ないし入国審査とかも緩いんですよね。
みんなラテン音楽がホントに好きだし、詳しいんですよ。私、20年ぶりに行ったのに、ホテルで会った黒人のおにいさんに♪Salsa no tiene frontera…って歌われたのでビックリしちゃいました! みんな音楽がすごく好きで、ミュージシャンに対してリスペクトがあって、反応がいいんですね。

今回、話が来たのは6月ぐらい。ツイッターで来たんです。セルヒオは一時期全然連絡が取れないときがあって…。2004年に『サルサ・フォー・ピース』っていうDVDを作るときにニューヨークのコパカバーナで以来、会ってなかった。私がツイッター始めたとき、いろんな外国の友人たちを検索したらセルヒオを見つけて、メールを送ってみたら、ちょうど震災のあとで「日本のみんなは大丈夫か?」と心配してきたので、そこからやり取りが始まったんだけど、6月ごろに「1曲歌ってレコーディングする気はあるか?」ってツイッターで連絡があって。「もちろん」と返したら「8月31日、クラサオでライヴがある」というので、「セルヒオのマイアミのスタジオでレコーディングをしてそのあとクラサオでライヴかな?」なんて思ってたんですけどね。そしたら<ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル>でのライヴをCDとDVDにするんだ、と。
久しぶりにセルヒオとできて嬉しいな…みたいな感じで。セルヒオのテイストって、ルイス・エンリケ聞いても、あ、やっぱり好きだな〜って改めて思ってたので。

(続く)
タグ:サルサ
posted by eLPop at 18:40 | 岡本郁生のラテン横丁