1983年9月、僕18歳。ブルースやR&Bを聞くために足しげく通っていた高校の近くの図書館でふと手にしたLPレコードは“Guisando”だった。
ことばも、境遇も、文化も異なる彼らの音楽のどこにそんなに惹かれたのか、もっともらしい説明をすることも憚られるほど不思議なのだが、何はともあれ、移民の移民による移民のための音楽・サルサに魅せられた僕は、そのときから、少しでも彼女ら彼らのことを知りたいという気持ちに囚われてしまったのだ。
Willie Colon & Hector Lavoe - Guisando 1969
辞書を片手にスペイン語を学び、リュックを担いでラテンアメリカを旅し、仕事のかたわら法律を勉強し……気がついてみたら移民専門の弁護士になっていましたとさ。ウィリー・コローンとエクトル・ラボーのコンビは、僕を想像もしなかった場所に連れてきてしまったのだ。


