それに続く注目の的は、コロンビアの女性シンガー、カロルGだったのではないでしょうか。
1991年コロンビアのメデジン生まれ、2017年にはバッド・バニーとのコラボ「Ahora Me Llama(アオラ・メ・ジャマ)」が話題となり、その後、さまざまなシンガーたちとのコラボによるヒットを連発。2022年の4作目『Mañana Será Bonito(マニャナ・セラ・ボニート)』から、コロンビアの大先輩、シャキーラとの共演「TQG」が全米シングル・チャート7位。アルバム自体も、女性アーティストによるスペイン語アルバムとして史上初めて全米アルバム・チャート1位を獲得し、第25回ラテン・グラミー、第66回グラミー賞ともに、アーバン・ミュージック・アルバム賞を受賞しました。
Karol G, Bad Bunny - Ahora Me Llama
https://www.youtube.com/watch?v=4NNRy_Wz16k
KAROL G, Shakira - TQG
https://www.youtube.com/watch?v=jZGpkLElSu8
そんな彼女のキーワードともいえるのが「Bichota(ビチョタ)」という言葉で、同名のヒットもありました。この「ビチョタ」は造語で、もともとプエルトリコで使われる「bichote(ビチョテ)」という言葉から来たものだそう。麻薬の売人、ギャングのボスなどを意味しますが、カロルGはこれを拡大解釈して、女性に焦点を当てた肯定的な言葉に変容させ、「強い女性」「女性らしい力」「女性的なエネルギー」を意味する言葉として使っています。
彼女自身の言葉によれば、「セクシーで、軽薄で、大胆で、強く、力強く感じられる瞬間であり、ある意味で個人的なモチベーションと自信につながる。私たちは皆、心の中ではスーパー・ビチョタなの。世界中の人々にも見てもらえるように信じて努力することが大切」ということで、彼女自身のニックネームとなり、さらに、自己のレーベルの名前にもなっています。
KAROL G - BICHOTA
https://www.youtube.com/watch?v=QaXhVryxVBk
確かにミュージック・ヴィデオを見ても、パっと見は、いかにもなセクシー系(?)映像という印象ですが、よく見ると、“女性らしさ”や“強さ”を強調した、いまの時代ならではの映像であることが感じられます。しかも、女性だけが登場する映像が非常に多いのも特徴。そのへんが、同性の共感・支持を得ているポイントではないか?という気がします。
KAROL G - LATINA FOREVA
https://www.youtube.com/watch?v=BgMU9Vuj17Y
KAROL G - Si Antes Te Hubiera Conocido
https://www.youtube.com/watch?v=MgsdDfdGdHc
KAROL G - Si Antes Te Hubiera Conocido
https://www.youtube.com/watch?v=QCZZwZQ4qNs
KAROL G - Provenza
https://www.youtube.com/watch?v=ca48oMV59LU
そして今年6月にリリースした5枚目となる『Tropicoqueta(トロピコケタ)』。
彼女自身が「私を表すものすべて」と表現するとおり、このアルバムは彼女自身がこれまでに聞いて、触れて、吸収してきたすべてのものが収められたもの。一般的にはレゲトン/ラテン・トラップのアーティストとしてとらえられますが、特に最近の楽曲ではその枠にとらわれない幅広いレパートリーを聞かせているとおり、特定のジャンルには収まりきらない広がりを持っていて、彼女ならではの、あらゆる雑多な楽曲たちが詰め込まれています。
「私のルーツ、幼い頃から聴いていた曲、音楽に夢中になったサウンドに立ち返った」で、「私と同じように、特定のジャンルだけでなく、私たちの音楽を聴いて育ったラテン系の人たち全員に向けたアルバムだと感じている。結局のところ、すべてのジャンルが好きじゃない人も、少なくとも自分と繋がれるジャンルがひとつは見つかるはず」と彼女は語っています。
12月はじめには、各地のテレビ出演などを集めたスペシャル映像作品「La PremiEre」も配信。これ、最高です
KAROL G - La PremiEre
https://www.youtube.com/watch?v=LenBa0yOAus
カロルGは腕に、自分の顔とリアーナ、そしてセレーナの顔のタトゥーを入れているそうですが、そのセレーナのドキュメンタリー『セレーナ・イ・ロス・ディノス:永遠なる家族のレガシー』がNetflixで公開されています。
1995年3月31日、24歳になる直前、そして英語マーケットへの進出を目前にして凶弾に倒れてしまった「テハーノ音楽の女王」・・・
1997年に製作された伝記映画にジェニファー・ロペスが主演し、これをきっかけにスターの座へ駆け上っていったことは有名ですが、その後もドラマ化され、主演がぜんぜん似てない!などと酷評されたこともありました。
しかし、今回はドキュメンタリーで、両親はじめ兄のAB、姉のスセッテ、夫のクリス、さらに主要なバンド・メンバーたちの証言と記録映像だけで構成され、セレーナの生い立ちから、どのようにアーティストとして、人間として自立していったかがよくわかる内容となっています。思わずグッとくるシーンが満載。
セレーナの歌とその存在によって、その後の若い世代が自分たちのアイデンティティを自覚し、メキシコの(さらにラテンの)文化を継承していること、彼女がいかにラテン・コミュニティに貢献してきたかがひしひしと感じられる作品です。そんな世代の中から、カロルGのようなアーティストが登場し、彼女がまたその下の世代へと文化を継承し・・・と、歴史は続いていくわけですね。
https://www.netflix.com/watch/82028788?trackId=14170286&tctx=2%2C0%2C1b92cdb9-626f-4a43-8f0c-d751e74cc6c9-291256189%2CNES_E6522C8E8AAF4AECA7EC95F403D972-994911DC4F528C-D88909F8BE_p_1767052368901%2CNES_E6522C8E8AAF4AECA7EC95F403D972_p_1767052368901%2C%2C%2C%2C82028788%2CVideo%3A82028788%2CminiDpPlayButton
⇒『eLPopの2025年はこれだった!』に戻る


