ラテンアメリカのそうそうたるトロバドールの世界の中で、ペルーは非常にマイナーな国である。しかし、では吟遊詩人は存在しないのかといえば、そんなことはない。ペルーはペルーで非常に多様な吟遊詩人世界を持っている社会でもある。
吟遊詩人の定義は諸説あるが、国立民族学博物館で現在開催されている特別展「吟遊詩人の世界」展では、吟遊詩人を、王家の系譜や英雄譚を語り継ぐ語り部、戦場で兵士を鼓舞する楽師、社会批評家、宴席に哄笑の渦をまき起こすコメディアン、庶民の意見の代弁者、中央のニュースを地方に伝えるメディア、儀礼の進行を担う司会者、五穀豊穣を祈願する門付芸人、また、霊的な世界と交流する職能者、ヒップホップなどのラッパーまでをを含めている。
一般にラテンアメリカで吟遊詩人という時にイメージされるものは、韻を踏んだ四行詩や十行詩の即興の歌や歌試合、ニュース歌謡などがイメージされるが、民博の定義であると物語歌だけでなく、神々と交歓するシャーマンの儀礼歌なども吟遊詩人の範疇に入ることになる。そうなると途端にアンデスやアマゾンのさまざまな儀礼歌が吟遊詩人の範疇に入ってくることになるが、ここではアマゾン地域で
アヤワスカ儀礼の際に歌われるイカロという歌があり、それをうたうシャーマンたちが居ることを紹介するにとどめたい。
Sigo Siendo - Icaros amazónicos
posted by eLPop at 21:57
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水口良樹のペルー四方山がたり