既に24年も経つのかと感慨に耽けた。今やラテン・グラミー賞を獲得し、レーベルは
あのスミソニアン。歌手のマーサは大学教授の職も得て、イースト・ロサンゼルスの
知的演奏家集団として確固たるポジションを獲得している。ちょうど会社を退職して
暗澹たる気持ちで日々過ごしていた当時の私に強烈な光を届けたのがこの動画だっ
た。
既存のラテン・ロックから離脱してソン・ハローチョの楽器や要素を摂り入れた
有機的ともいえる優しい「音」の感触。新しい時代の鋭く若い息吹を感じ、その感動
と共に会社を立ち上げてしまったのだ。2度の来日公演を実現させるなど随分と張り
切って宣伝にも力を尽くした。が、残念ながらレーベル移籍などでビジネスの関係は
途切れてしまった。
緩やかな友人関係は続いていた。 リーダーのケッツァルから突然日本に遊びに行く
からと連絡が入ったのは6月だった。18歳になった息子も連れてくるという。3人の
演奏も可能ということでかつてのファンとの親交の宴のような演奏会を急遽、東京で
開くことに。また高知県神山に移住した共通の友人で映像作家のアキラ・ボックを訪
ねて四国まで足を運ぶという。現地でも演奏をするかもということで、私も700kmを
一気にクルマで走って現地へ向かった。山のなかに建つビール工房の敷地で開かれた
演奏会には悪天にも関わらず沢山の子供たちも含めて100名以上の住人が集まった。
剣山も近い深い山谷に響く彼らの力強い演奏。マーサのサパテアードとケッツァルの
ハラーナはまさにダウン・トゥ・アース。子供たちが自由に踊り出した。
この動画を久しぶりに観た。音楽の核心は全くぶれていない。グループを結成して今
年で30年だそうだ。8月19日にはロサンゼルスで記念ライヴも開催されるようだ。昨
今の余りの円安では気軽に行けないが、東京から一緒に喜びたいと思う。
QUETZAL: CHICANA SKIES
https://youtu.be/o4phwEm55L4
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