3月9日から、大阪の国立民族学博物館で開催されている『ラテンアメリカの民衆芸術』展を、見に行ってきた。国立民族学博物館は、EXPO70(1970年の大阪万博)の跡地、万博記念公園の一角に作られた民族学博物館。大阪モノレールの万博記念公園駅から、万博記念公園を横切るように向かうのだが、ちょうど「桜まつり」が行われていて天気も良かったこともあり、家族連れなどで大混雑。
太陽の塔
後で国立民族学博物館の方に聞いた話だと、普段はほとんど人出は無く、今日の混雑ぶりはビックリだということ。何はともあれ、太陽の塔と桜を横目に見ながら、無事会場に到着。会場入り口では、今回の特別展のイメージキャラクター(?)にもなっている“ヤギのナワル”の看板が出迎えてくれるので、本館とは別の特別展示館へもスムーズにアクセスできた。
「ラテンアメリカでは、民衆のつくる洗練された手工芸品を民衆芸術(スペイン語でArte Popular=アルテ・ポプラル)とよびます。北はメキシコから南はアルゼンチンまで、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブの作品まで、国立民族学博物館が所蔵する作品を中心に約400点のいろいろな民衆芸術作品を展示します」と主催者の説明にある通り、時間、地域ともに幅広く、展示数の多さとクオリティーの高さに圧倒された。
展示物は、先コロンブス、コロンブス後の混淆の時代、そして、現代の抵抗のアートとしての活動までを体系つけて紹介しているので、中南米の歴史に興味がある人にも刺激的な内容となっている。
手工芸品を、1920~30年代から国のアイデンティティとして育て紹介していったメキシコとペルーから多くの世界的に知られた作家が出たことは、両国のインディヘニスモ運動から、それぞれ独自の音楽がつくられ世界的に知れ渡ったことと呼応していて、作品群をより興味深く見ることが出来た。ただ、両国の展示物が結果的に他地域より圧倒的に多かったのは致し方ないが、カリブなどの展示はもう少し見たかったというのも本音。
祭用楽器(ボリビア)
焼きのも(ペルー)
モラ(パナマ)
仮面(ブラジル)
死者の日祭壇(メキシコ)
ガリフナ(ホンジュラス)
ただ、初めて知ることも多く、日本や中国をはじめとするアジアの漆器や絣(かすり)が、植民地時代にはすでに中南米の工芸に影響を及ぼしていたことなどは、驚きだった。
漆器の入れ物(メキシコ)
首長人形(ペルー)
レタブロ(ペルー)
命の木(メキシコ)
コヨーテのナワル(メキシコ)
精霊の神話的変化(ペルー)
さらに、現代の抵抗のアートとしての展示も充実していて、メキシコでのアート・コレクティブの活動などは、映像でも紹介されていて、今を生きる民衆芸術にも目を配っているのは流石。
アヨツィナパ文書(メキシコ)
呪われた者たち(ペルー)
アルビジュラ「窓の外を見つめる女性」(チリ)
木版画「8-M」(メキシコ)
木版画「メキシコの黒人ディアスポラシリーズ(メキシコ)
「グアテマラの民族衣装はだれのものか」
とにかく、中南米カリブの文化に興味ある方はもちろん、現代史に興味ある方も必見の特別展示は、5月30日まで。途中、関連イヴェントもいくつか企画されているので、そちらと合わせて訪れるのも良さそうだ。
〈『ラテンアメリカの民衆芸術』HP〉
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/37894
常設展の方も約15年ぶりに見てみたが、現代進行形の文化も紹介され、以前と一部展示内容が入れ替えられていて、こちらも興味深く見て回った。ただ、世界の全ての地域を対象にしているので、その数は膨大。『ラテンアメリカの民衆芸術』展と合わせて見るには1日仕事になるので、そのようにプランされるのをお勧めする。
〈国立民族学博物館 HP〉
https://www.minpaku.ac.jp/exhibition/permanent/main
ちなみに、関西地区には、ほかに天理教大学付属の「天理参考館」という、これまた素晴らしい民族学博物館があるので、こちらと合わせ“関西民族(俗)学ツアー”の旅も可能。
〈天理参考館 HP〉
https://www.sankokan.jp/
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http://elpop.jp/article/190261244.html


