今回はシンプルに、各人が「今年はこれだ!」一つを選び(選びきれない人はMax3つ)、基本解説なし(どうしても書きたい人書いてもOK)の形にしました。
今年読んでくださった皆様、ありがとうございました!
2023年もみなさまに良い事、良い音、良い本、良い映画などが降り注ぎますよう!
【目次】
◆高橋めぐみ『パラディーソ、世界J文学館、あなたと過ごした日に』
◆水口良樹『マリネラ・リメーニャ』
◆山口元一『トト・ラ・モンポシーナ』
◆石橋純『「都市のリズム」完結』
◆佐藤由美『ガル・コスタ』
◆高橋政資『インテラクティボ、ドゥオ・イリス、バコソ』
◆長嶺修『赤道ギニア、アンゴラ、カーボヴェルデ』
◆岡本郁生『ラロ・ロドリゲス』
◆宮田信『カミーロ・アスキータ』
◆伊藤嘉章『バッド・バニー』
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◆高橋めぐみ(SOY PECADORA担当/スペイン語圏の本・映画)
1)書籍
パラディーソ(Paradiso)1966年発表、翻訳書の発売は2022年。
著者:ホセ・レサマ=リマ(José Lezama Lima)
訳:旦 敬介(だん けいすけ)
国書刊行会
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336073846/
スペイン語で書かれた最も重要な小説のひとつである。訳者による詳細で丁寧な解説/指南付き。読まずに死ねるか!(記事としては2023年に取り上げます)
2)書籍
小学館世界J文学館(2022年)
https://www.shogakukan.co.jp/pr/sekaij/
図鑑のようなカタログのような1冊を買うと古今東西の名作が125冊が読める!
ダウンロードして電子書籍として読む画期的な試み。挿絵も美しい。ほとんどが新訳で本邦初翻訳の作品もあります。
3)映画
あなたと過ごした日に(原題:El olvido que seremos)2020
監督:フェルナンド・トゥルエバ(Fernando Trueba)
https://www.amped.jp/anatato
実話に基づいた、息子による非業の死を遂げた父への思いを描く。いつまでも心に残る作品。(記事はアップ済み:『今月のお気に入り8月』)
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◆水口良樹(ペルー四方山語り担当/ペルー)
「CSCM Breña "Marinera Limeña" 」
https://youtu.be/chkZC5d17Zs
セントロ・ムシカル・ブレーニャで楽しそうにマリネラ・リメーニャをやっている映像。カルロス・カスティージョやカルロス・イダルゴ、ウィリー・テリーといった今をときめくムシカ・クリオージャのバリオのスタイルの音楽をがっつりと歌い継いでいる面子による濃密なマリネラ・リメーニャの音楽と踊りのシーンをご紹介。やっぱりマリネラはいいなぁということでご紹介します!
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◆山口元一("Ay hombe"担当/コロンビア)
『トト・ラ・モンポシーナ"Adios Fulana"』
"Adios Fulana" / Toto La Momposina
https://www.youtube.com/watch?v=avSfYwBMGDM
今年で引退されたので。
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◆石橋純(熱帯秘法館/CASA CACHIBACHI担当/ベネズエラ& more)
『eLPop仲間4人が寄稿した「都市のリズム〜Walking in the rythme」完結』
世界各地の都市と音楽の話題を現地に精通したライターが紹介する12ヶ月連載エッセーが完結しました。
シリーズ終盤のラインナップは以下となりました。
10月 ナント(フランス、廣瀬純)
11月 リマ(ペルー、水口良樹)
12月 メンフィス(USA、佐藤良明)
ミュージカルを得意とした映画監督ジャック・ドゥミの音楽にフォーカスしたナントの回。eLPop仲間水口良樹による渾身のリマ音楽案内。そして最終回はエルヴィス・プレスリーを輩出したメンフィスの盛衰。いずれも読み応えあるエッセーとなっています。
どうぞこの期に12ヶ月通してお読みください。
https://www.kajima.co.jp/news/digest/dec_2022/rhythm/index.html
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◆佐藤由美(GO! アデントロ!/南米、ブラジル & more)
『不思議な力 Força estranha/ガル・コスタ Gal Costa』
https://www.youtube.com/watch?v=JeY2ojRkSys
ブラジル発ワールドクラスの大ヒットショーを迎えた1980年。来日公演成功祈願に初めて巻いたボンフィン紐。全国ツアー終了後、帰国フライト搭乗前の空港トイレ。ガルと一緒に手を洗っていたタイミングで切れた=叶った。MPB史上もっとも華麗だった女王、活力みなぎる舞台のハイライトシーンはこの曲だろう。
黙祷…
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◆高橋政資(ハッピー通信担当/キューバ、ペルー、スペイン)
『インテラクティボ、ドゥオ・イリス、バコソ』
@ INTERACTIVO / En Fa Sostenido
https://youtu.be/qS8RK4-SRbc
アルバム『En Fa Sostenido エン・ファ・ソステニード』より
A DÚO IRIS / Por Pensarte
https://youtu.be/CpmFFKgFwm0
アルバム『Mi Suerte ミ・スエルテ』より
B 映画「バコソ〜アフロビーツ オブ キューバ」
https://youtu.be/jb_Z72VdvJc
全てキューバもの。@は、多くのスターを輩出してきたグループの新譜。ジューサも久々に参加。Aは、女性の活躍が目立ったキューバを象徴するようなダジャミ・サンチェスが参加。ポップス畑からこんな女性歌手が出てきたことに注目。Bは、現代アフリカ音楽と連携する新しい音楽シーンの存在を教えてくれた。
(編集部より:1/14(土)に銀座のサルサ・バー Las Risas (ラスリサス)にて『BAKOSO』の2回目の上映会
&トークショウを行います。これ以降は上映の予定はありませんので、ご興味を持たれた方はぜひ!
14:30 Open 15:00 Startです。
詳しくはFacebookのイベントページへ ↓↓↓
https://www.facebook.com/events/1252349212290220/
あと、カリブ熱中症担当/カリブ諸島+カリブ沿岸担当の伊藤嘉章による、『バコソ〜アフロビーツ オブ キューバ』の解説も併せお楽しみください。
http://elpop.jp/article/190022521.html
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◆長嶺修(猫の目雑記帳担当/スペイン & MORE)
『赤道ギニア、アンゴラ、カーボヴェルデ』
なにか1作ではなく、スペイン語&ポルトガル語公用語圏アフリカ諸国の近作、ということで、とりあえず赤道ギニア、アンゴラ、カーボヴェルデから各1ピックアップです。
Vanilla Karr - Béto Iá RiböTyö
https://youtu.be/1DQP7iBZBtE
Yola Semedo - Marido
https://youtu.be/kehTYLLsMeI
Lucibela - Txe Txu Fla
https://youtu.be/Y1PhjuRkq4Y
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◆岡本郁生(ラテン横丁・USA LATIN & MORE)
『ラロ・ロドリゲス』
いろいろと訃報が続く中、やはり、ショックだったのは、ラロ・ロドリゲスが亡くなったことです。
こちらはマチート楽団でのアルバム『Fireworks』リリース時のスタジオライブで、豪華オーケストラをバックに歌い切っているのが素晴らしい。
Orquesta de Machito canta Lalo Rodriguez
https://www.youtube.com/watch?v=DNeRV0hH5o4
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◆宮田信(DANCE TO MY MAMBO担当/USA+MEXICO)
『カミーロ・アスキータ』
CAMILO AZUQUITA,,,,,EXITOS 1
https://youtu.be/yI-dFomhBqA
クリスマスに届いた訃報。パナマが生んだサルサ歌手、もうひとりの王様、カミーロ・アスキータ。パナマ〜ニューヨーク〜ロサンゼルス〜パリと拠点を変えながらサルサを歌い上げた偉大なる歌手。最後はパナマで亡くなったとのこと。好きなアルバムは何と言っても75年発表の"Pura Salsa"。
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◆伊藤嘉章(カリブ熱中症担当/カリブ諸島+カリブ沿岸)
『バッド・バニー/Verano Sin Ti』
■今年は色々な意味でバッド・バニーの新譜『Verano Sin Ti/あなたのいない夏』。
アルバムリリースはわずか半年前ですが、最初のシングル"Tití Me Preguntó"だけで現在YouTube7億回視聴。"Moscow Mule"が3.3億回と億を超える曲続出と言う支持はラテンではちょっと見当たらない。
加えて内容。レゲトンに収まらない多様で秀逸なトラックやサウンド、今の世代の抒情をきっちり捉えた歌詞とメロディ("Moscow Mule"など)、そして社会問題を正面から扱う姿勢( "El Apagón - Aquí Vive Gente" )、かつクリシェに落ちないどころか先の読めない尖がり方など、大きなポテンシャルを見せてくれたからです。
Bad Bunny - Moscow Mule
https://youtu.be/p38WgakuYDo
Bad Bunny - El Apagón - Aquí Vive Gente
https://youtu.be/1TCX_Aqzoo4
■あと今年は悲しい追悼が多かった事を書き添えます。ラロ・ロドリゲス、ロニー・クーバ、カミーロ・アスキータ、パブロ・ミラネス…素晴らしい作品に感謝します。
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以上、来年もeLPopを宜しくお願いします!