Top > 岡本郁生のラテン横丁 > OCEANAインタビュー<後編>

OCEANAインタビュー<後編>

2019.01.26

OCEANAの4人とのインタヴュー、後編です。アルバム『OCEANATION』について、うかがっております。
(2018年11月8日・渋谷にて)

「OCEANA 春の陣」
2019年4月26日(金)
@六本木C*LAPS (チケット発売中!)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
oceanation.jpg
――OCEANAはやっぱり、サルサじゃないですよね?

NORA そう。ドラムがいるんでね。パーカッションじゃないんで。

――サルサもできる、って感じだとは思うんだけど。

NORA 編成を変えればね(笑)。この4人がいれば、もうちょっとプラスすればできるかな。さっきも(4人で)そんな話をしてたんですけど、中南米ツアー用に“オセアナ・サルサ・ヴァージョン”ってありですよ。「コロンビアとかペルーとか行ったら絶対サルサ要求されるよね」「ドラムはいてもいいんだけど、もうちょっとパーカッション入ったサルサっぽいやつやらないとね。じゃ、そのときは、そのヴァージョンでやろうか」って。

――ヴァージョン、すぐ作りかえられそうですよね?

KAORU ポップだけど、ピアノがモントゥーノするとか、何かしらラテンのエッセンスを入れてるので(大丈夫)。

NORA 全曲入ってる!

KAORU ある意味、その部分を増やせばいいっていうだけなんで。

小野 (私、これまで)サルサに対してすごく、「離れたい」っていうのがあって……。サルサ寄りには全然考えてなくて、広い意味でラテンをやりたいってずっと思って、そうやって生きてきた感じだから、ときどきサルサのエッセンスが入ると、逆に面白いなって思えるようになった。
「2・3」と「3・2」しかない、みたいな感じになると、私はすごく窮屈で、サルサから離れたい!と思ってた何十年だったので……。うん。

NORA 逆にいまは新鮮に感じる?

小野 新鮮です!

NORIKO 私もニューヨークにいて……いまニューヨークには全然ラテンがないんですけど……、サルサしかできない、っていうより、サルサだけじゃなくて、それ以外も融合したものをやったほうが自分たちっぽいっていう感じがする。いろんなものを聞いて、いろんなものを取り入れて、それを形にするっていうのは、逆にそれが日本人のいいところなので。

小野 で、コロ・カンタとか、すごい久しぶりに味わって、ノラさんの歌を聞いたときに私ちょっと鳥肌がたったんです。「あ、これだ!」と思って。

NORA (笑)

小野 ライヴのリハーサルのときにね。「これこれこれこれ!」と思って。久しぶりでちょっと嬉しかったです。想像以上っていうか。

NORA 昔の良さ(良いところ)を思い出した感じなのかな?

OCEANA逕サ蜒・IMG_4061.JPG

――では、アルバムの曲、1曲ごとに解説をお願いします。

NORA まず「OCEANA」は、NORIKOが曲を書いてきたとき、(リズム名が)“メレンゲ”って書いてあったんですよ。“メジャー・メレンゲ”って。

NORIKO はじめ、メレンゲだったんです(笑)

NORA で、んー……どうしようかな?と。NORIKOの書く曲はマイナーなものが結構あったから、こういうメジャーのアップ・テンポで明る〜い曲は、「お、来たな!」みたいな感じだった。
 こういう曲は、みんなで盛り上がれる曲だから、なんかそういう歌詞がいいな、と思って……。で、メレンゲじゃないとしても、わかり易い、みんなが乗れるビートでやってったらいいんじゃないかな〜って思って、メロディ覚えて♪フンフンフン……てこう鼻歌で歌ってたら、♪タラッ、パパ〜ララ〜ってきて、「パパ〜ララ〜」のところは「あ、♪オセ〜ア〜ナだ!」と思って(笑)。「あー、できそう……」。「タラッ」のところは何かな〜と思ってたら、「あ、ソモスだ〜!」と(笑)。
 「Somos OCEANA=私たちはオセアナ!」。「オセアナ」って曲にして私たちのことを歌おう!って決めたわけです。
 そのキーワードがパッと出たから、そこからもう全部、バーーー!って書けた。最初はスペイン語で書いて、やっぱり日本語も書きたいな、と思って。「昔出会った私たちの友情が、音楽を通じてまた深まった」みたいな、いろんなことあったけどさ……みたいなことを書こうと。

――「OCEANA」という言葉はもう、あったんですか?

NORA 「オセアナ」っていう名前が最初にガーンと出てきたので……

――グループ名が?

KAORU グループ名もいろいろ候補があってね〜(笑)

小野 100回ぐらい行ったり来たりして……。いろんなところに住んでるから、メッセンジャーの数が一日100件ぐらいあって(笑)。

NORA この名前のイメージが、出てきたんです。譜面とか入れるファイルに「オセアナ」って書いてあるのが見えた。「あ、オセアナだ!」と。イメージが出てきたんです。
 いろんな(名前の)候補が出てて、どれにしよう……と思ってたら、ファイルにフッと「オセアナ」っていうのが書いてあるのが見えたんですよ。黒いマジックで書いてあった。「じゃ、オセアナっていう名前にすればいいんじゃない?」ってことかな、と思って、みんなに「どう?」と。私、たま〜にそういうのがあるんですよ。いつもあったら霊媒師になってますけどね(爆笑)。
 降りてくる感があって。で、みんなに訊いたら、いいんじゃない?ってことで、じゃ、それにしようか、と。
 本当は、スペイン語だと「OCEANO」っていうんですよ、太平洋のこと。「〜ナ」じゃなくて。男性名詞で海だから。でも女だから「〜ナ」で。「オセアナ」っていうのはないのね、言葉として。でも、作っちゃえ!って(笑)。「〜ナ」の方が女性ぽいから。だから、ラテンの人が聞くと文法的には「オセアノ」じゃないの?ってなると思うんだけど、でもいいんじゃない?と。

KAORU ググると、海の、海洋なんとか団体とか……

NORA そう。そんなのばっかり出てきます。でもいま、ひとりいるね、オセアナっていうアメリカの女性でソロシンガーが。

KAORU あと、バンドもいる。ロック・バンド。

NORA 最初、被るからどうかな?っていってたんだけど、でも、出てきちゃったから(笑)。
で、それを決めた後に、歌詞を考えてたら、フッとそれがハマったので、「ああ、じゃ、オセアナのテーマソングにしよう」と。そこから(歌詞を)パーっと作って。割とスラ〜っとできて。NORIKOに送って。
 別にメレンゲじゃなくて、カリブの、カリプソっぽくてもいいんじゃない?と。メレンゲにするっていっても、メレンゲのグイラがないと(できないし)、そこまでしてタンボーラとか入れなくても、この編成だし、ドラム・サウンドでできるそういうサウンドにしようと。

――日本語もスラっと出たんですか?

NORA 私、あまり日本語の詞は書かないんだけど、これは割とすぐ出ました。やっぱりイメージがあるから。みんなとの再会が嬉しい、っていうのがあったから、そういうポジティブな気持ちがあるとすぐ書けるんですよね。そんなに迷わずにできましたね。
 で、その次の「HOMEGIRL」……これも割とすぐできた。

NORIKO KAORUちゃんがベースのリフを録音してくれたんだよね。こんなのどう?って。でも、KAORUちゃんのイメージと違ったんでしょ?(笑)

KAORU もう、全然違ったの(笑)。(私のイメージは)もっとフュージョンぽいていうか……。「これ、KAORUちゃんのベースのイメージで作ったんだよ」っていわれたけど、全然違う(笑)。コードも違ってたよね?

NORIKO コードはほら、歌にあわせて変えて……

NORA それを送ってきて、英語があるしこういうビートだし、誰かに歌詞書いてもらった方がいいかな、なんて思いながら……。
 私、ジャザサイズっていうエクササイズやってるんですけど、アメリカン・トップ40みたいなのを使って……メンバーみんなやってるから知ってるんだけど……そのトレーニングみたいなのやってて。で、その中でよくダンスものが使われてるんですけど、メーガン・トレーナーの「ウーマン・アップ」っていう、女性を讃えるというか「女性がんばろう」みたいな曲があって、それを聞いてたら「あれ? なんかイメージ出てきたな」と。
 せっかくレディース・バンドだから、女性に焦点を当てたような歌詞がいいかな、と。そしたら「私たち、ホームガールじゃない?」って思って(笑)。ホームボーイじゃなくてホームガールじゃん、幼馴染じゃないけど、慣れ親しんだ友達っていうか、マブダチだ!と思って。「あ、それタイトルにしよう」と。
 サビのどこかにそのキャッチーなワードをはめられるかなーと思ってたら、♪タタララ……♪hey homegirl……来た来た来た!と(笑)。「そこか、ホームガールは!」 で、バ〜〜〜!っと。

KAORU 80〜90年代って、プライヴェートでもホントに遊び倒して(笑)、この3人でディスコによく行ってて。横浜の「サーカス」とか(笑)

NORA そのころのことを書きたくなっちゃって(爆笑)

KAORU そのころ流行ったような曲だし、ワードもそうなんだよね。ちょっと古臭いんだけど、なんか懐かしいような。

NORA シェリル・リンが大好きだから「シェイク・イット・アップ・トゥナイト」とか、「ガット・トゥ・ビー・リアル」の感じを出したいなと思って。きれいな靴はいてさ〜、踊りに行かなーい?みたいな(笑)。盛り上がろうぜー!みたいな(笑)。

――ディスコ感がいいですよね。

NORA 日本のオーディエンスのことを考えたら日本語が良かったんだけど、もう(歌詞が)出てきちゃって。その慣れ親しんだ歌詞が(笑)。で、そのままつけちゃいました。みんなで踊ろう、みたいな曲で。
 NORIKOの最初の♪タララッタ……あの音色とフレーズがすごく特徴的で、すごい好きです。キャッチーだなと思って。そういうのを入れられるのもOCEANAの、NORIKOのアレンジの特徴かな、と。

――続いて「MARIPOSA」。

KAORU 最初にやったセッションで(やった曲)。

NORA NORIKOが最初に書いてきて。ブルーノ・マーズの「ロックト・アウト・オブ・ヘブン」て、こないだライブでもやった曲と、(チャカ・カーンの)「スルー・ザ・ファイアー」と(を思わせるような曲)。まだ歌詞もなくて。NORIKOが持ってきてくれたから、とりあえずやってみようか、とりあえず音出してやってみようか、って。私もメロディ覚えたてで、わ〜って英語で歌詞書いて、それをやって……。「MARIPOSA」って「蝶々」のイメージで。

NORIKO これはレゲトンなんですけど、「デスパシート」よりも前ですから(笑)、いちおう断っておきますけど。

NORA 歌詞はちょっと迷って、最初英語で書いちゃたんで、それをきちっと書き直したって感じ。でも、日本語が合う曲なんで、KAORUちゃんと日本語ヴァージョン作ろうね、っていう話をしてます。

KAORU していて何か月も経っちゃいましたが……スペイン語もありじゃないの?

NORA スペイン語もありだよ〜。スペイン語なら割とすぐ書ける。

小野 いや、みんながね、すごい、発音がバッチリなんですよ。私、(英語が)しゃべれなくて。なのにコーラスをやるから、すごい難しいんです(笑)。そうなんですよ……発音が。

NORA 英語だといろいろ面倒な発音があるからね。スペイン語だったら楽なのにね、日本語と近いから。レコーディングのときは、細かく合わせてやらないといけないから(大変だった)。

――これは最初からレゲトン想定で書いたんですか?

NORIKO そうですね。

NORA やっぱりNORIKOはニューヨークに住んでるから、自然に、いまのダンス・ミュージックを取り入れようと思うんですよね。

――いま、ポップ・チャートに入ってる曲も、結構レゲトンですもんね。

NORA そういう音ネタとかリズム・パターンとかをよく知ってるので、それがOCEANAのサウンドの特徴にもなってるのかな、と思います。日本にずっといたら、たぶん研究者じゃないと詳しくなれないと思うんですけど……。

――次の「SING DANCE HAPPINESS」、これ、ちょっと違った感じですよね

NORA そう。スローバラード。あのね、イントロがもう、癖になる。
♪タラララララララン……

KAORU ブレンダ・ラッセルの「ゲット・ヒア」っていう曲が大好きで、それを彷彿とさせるようなあのイントロを聞いてて、そしたら、「みんな私に会いに来なさい……」みたいな、なんか、そんなイメージがすごい湧いたの。

NORA 最初にKAORUちゃんが詞を書いてくれて。あれはね、イントロでものすごいインパクトがあったから、絶対使いたいなと思って。これはちゃんと仕上げないとなーと。壮大な曲になりそうだな、って。

KAORU 最初、タイトルは「SONG DANCE HAPPINESS」だったよね(笑)

NORA そう。全部名詞だった。でも、「シング」の方が歌いやすいなと思って。♪ソング〜より♪シング〜の方が、サウンド的にね。意味的にも動詞の方がいいかな、と。いろいろ微調整して、でも、アレンジはそのままで。最後にゴスペルになるっていうのは、あとで付けたのね。ゴスペルの前まで仕上げてて。

NORIKO ピアノと歌だけで、ヴァイオリン1本でやるっていうイメージだったわけ。でもそれだとちょっと……みたいな感じになって。もっと盛り上がるやつにしちゃおう、って。

NORA そしたら、「え? ゴスペルになるの?」みたいな(笑)。それが意外に面白くて。じゃ、そこでみんなで歌う感じで、と。歌詞の内容もあってるしね。

KAORU クワイヤになって……

NORA ちょっと変わった曲ですよね。でもなんか、こないだ初めてライヴに来た友達が「あの曲すごく良い」っていってくれたから、「あ、1回目でも伝わったんだ」と思って、良かったな、と。

OCEANA逕サ蜒・OCEANA繝。繝ウ繝上y繝シ.jpg

――次の新曲は?

NORA あります。今度ライヴでやります。レコーディングしてない曲が5曲ぐらいあって。
今回、前のライヴでやってない曲が2曲。1曲はオリジナルで「おかえり」って曲なんですよ。「おかえり Sweet Home」っていう……絢香の曲に同じタイトルがあってビックリしたんだけど、でも全然違うから。
 その「おかえり」がすごいキャッチーなんですよ。このOCEANAを引っ張って行く曲かな?と。ミディアム・スローの、世の中の男性に向けた曲。

――あ、そうですか? こわい!(笑)

NORA こわくないわよ(笑)

KAORU またいま、「圧」がかかっちゃった(笑)

NORA 仕事を終えて帰ってきた男性、または女性が、この曲を聞けたらいいな、っていう感じで書いたんです。「家があなたにとっていちばん安らげる場所でありますように」っていう、そういう、すごいキャッチ―な曲です。

――レコーディングは? 社長(アオラ・コーポレーション高橋社長)次第?

NORA 来年(2019年)の4月と9月にまたライヴをやろう、と。4月に東京でライヴをしてレコーディングをして。9月に、仮なんですけど名古屋でライヴが入っていて、それがデラルスと対バンなんですよ。私、大変……(笑)。
 そういう話があって、そのために来ることになるので、そのときにアルバムを作って、売りながら、大阪とか京都とかでライヴをやって……っていう話をさっき、してました。

KAORU あと、アジア・ツアーだの、ヨーロッパ・ツアーだの、いろいろと。呼んでもらえたら。

――今回は……

NORA 京都で、11月2日、初の関西ツアーをやってきて。そのとき、「フル・アルバム出しますか?」って聞かれたんですが、そのときにまとめて取材したい、っていう人もいるらしくて。私たちのスタンスとしては、来た時しかできないわけだし、いまはフル・アルバムっていう時代じゃないと思ってるんですけどね……。

――いま、CDさえ出なかったりしますからね。

NORA そうそう。CD、出さないのも寂しいじゃないですか。私たちの世代ってCDを聞く人たちだから。配信だけじゃなくちゃんとCD買いたいって人も結構いて。で、無駄に何曲も入れるんじゃなくてね。曲数を揃えてっていうと、必ずテキトーな曲が入ってくるんですよね、どうしてもいろんな都合で。そうじゃなくて、心を込めて作った曲で、これが、(曲が少なくても)ミニ・アルバムじゃなくてフル・アルバムですと。ちゃんとしたアルバムなんですと。こういう常識にしていきたい。

――曲の数の問題じゃないですよね。

NORA そうなんですよ。

NORIKO 10曲あっても、結局3曲ぐらいしか聞かないもんね。

NORA そうなの。ホント聞かないし、そんな無駄なこともないと思うし。実際にまだ体力ないからそんなに何曲も録れるわけじゃないので。

――配信だけで1ケ月ごとに1曲ずつ、とか、それをCDにするとか、という手もありますよね。あとは、アナログですかね……。

NORA アナログ盤!?

KAORU それもちょっと流行って来てますよね。

NORA 需要ありますよね。

――東洋化成っていう会社が11月3日の「レコードの日」にあわせて、いろんな人のアナログを出しているんですよ。

高橋 増えてますね。

NORA そういうのもありですね。CDも出して、ってことですよね?

――あと、ヴィジュアルが……

小野 この(ジャケット・)デザイン、すごい素敵じゃないですか! これが大きいサイズであったら……
oceanation.jpg
NORA 綺麗だよね〜!

KAORU 飾りにもなるしね。

小野 飾っておきたい!

――やっぱりコストは高いんですよね?

高橋 高いですね。いま、アナログの新譜で3500円ていうのが定着してるんですよ。昔は2500円とかっていうイメージあるけど……。シングルだと1500〜1600円。儲けは出ないですけどね、アナログは。でも話題性はありますね。新譜でアナログも出すっていう人、メジャーでも最近は増えてますね。

――レコード・プレーヤーも売れてるみたいだし……期待してます!!!

(了)
posted by eLPop at 11:59 | 岡本郁生のラテン横丁