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映画『オリーブの樹は呼んでいる』5/20公開!

2017.05.03

『オリーブの樹は呼んでいる』(原題:El Olivo/英語題:The Olive Tree)
 2010年の問題作(!)『ザ・ウォーター・ウォー』(原題:También la Lluvia/第8回ラテンビート映画祭では『雨さえも』の邦題で上映)を手がけた、イシアル・ボジャイン監督による2016年最新作の公開が決定した。5月20日(土)よりシネスイッチ銀座にてロードショー、他全国で順次公開。(スペイン映画/99分/配給:アット エンタテインメント)

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 舞台はバレンシア州内の農村。樹齢2000年にも達するオリーブの樹が売却され、他所の土地へ移植されてしまった。細々とオリーブ農園を生業としてきた祖父は、もう何年も前から会話を一切しなくなっている。幼い頃から、その祖父と分かちがたい信頼関係を築いてきた孫娘のアルマ……20歳になった今、祖父思いに変わりはないものの、養鶏場で働きながらやり場のない怒りをつねに抱え、反抗的で扱いにくい娘に成長していた。
 ある日、とうとう食事さえ口にしなくなった老いゆく祖父の表情を見て、アルマは決意する。祖父と自分が愛しんでやまなかった、あのオリーブの古木を取り戻すのだと。女友達やSNS仲間の加勢を得、変人の叔父と仕事仲間の青年をなんとか丸め込み、彼女は無謀ともいえる巨樹奪還の旅へと向かう。

 脚本は、英国の名匠ケン・ローチ監督と長らくタッグを組んできた、知将ポール・ラヴァーティ。オリーブ古木の売買というショッキングな新聞記事を読み、映画化を妻のイシアル・ボジャインに持ちかけたそうだ。長引く不況がもたらしたスペイン社会の閉塞感と諦観、農業形態の変容、環境問題意識の歪んだイメージ戦略等々、随所にリアルな伏線を忍ばせながら、家族間のギャップが描かれていく。

 古来、豊穣や平和の象徴とされてきたオリーブだが、羊の放牧と並び、イベリア半島の土壌の乾燥化を加速させた一因が、実はオリーブ畑にあったとの説さえある。先祖より綿々と受け継がれた樹霊を、現代に生き永らえさせることなど、果たして可能なのだろうか?

 冒険譚じみたストーリーがはらむ、日本とも決して無縁ではない問題提起。一抹のユーモアと飾らぬ演技がもたらす、後味のすがすがしさ……。孫娘と祖父が歌う印象的なカタルーニャ語の一節、あれは古謡だったか?? ガキの頃に木登りが得意だった諸氏へ、ぜひお薦めしたい作品だ。〈佐藤由美〉
★公式サイト:http://olive-tree-jp.com/
posted by eLPop at 15:01 | News