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ラテンアメリカ探訪「ペルーのロックを聴いてみよう」でかけた曲

2015.08.09

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すこし時間が経ってしまったが、6月29日に「ラテンアメリカ探訪」で、ぺぺ・もとを氏とのトークという形でペルーのロックについて概観的にご紹介させていただいた。せっかくなので、そこで流した曲のリストをご紹介したい。まだまだ知られていないペルーのロックを聴く際のガイドラインとなれば嬉しい限りだ。

ペルーにおけるロックの展開がイメージしやすいように年代別でご紹介させていただいた。それによってペルー国内の政治や文化の社会的コンテキストだけでなくペルーと日本、欧米などのグローバルな同時代性を考えながら聴けるガイドラインにもなるからだ。
()は候補に上がっていたが結局流さなかったもの。


●60年代●
01:ロス・サイコスLos Saicos "Ana" '64
02:ロス・ドルトンスLos Doltons "Ultimo Beso" '66
●70年代●
03:ラゴニアLaghonia"Someday" '71
04:トラフィック・サウンドTraffic Sound "Meshkalina" '71
05:ブラック・シュガーBlack Sugar "Too Late" '71
06:エル・ポレンEl Polen "La Flor(Tema de Cholo)" '72
07:エル・オピオEl Opio "Piratas en el Titicaca" '72
08:ウィー・オール・トゥギャザーWe All Together "Carry on till tomorrow" '73
 (タルカスTarkus"Tema para Lilus" '72)
●80年代●
09:フラヒルFrágil "Av. Larco" '80
10:リオRío "Televidente" '85
11:デル・プエブロ・デル・バリオDel Pueblo Del Barrio "Escalera al Infierno" '85
 (デル・プエブロ・デル・バリオDel Pueblo Del Barrio "Esencia" 2011)
12:ミキ・ゴンサレスMiki González "Dimelo Dimelo" '85
13:ミキ・ゴンサレスMiki González "Akundún" '92
14:アウトコントロールAutocontrol "America Ven a mi" '87
●90年代●
15:ノセキエン・イ・ロス・ノセクアントスNosequien y las Nosecuantos (NSQ y los NSC) "Las Torres" '91
16:アレナ・アッシュArena Hash "El Rey Del Ah Ah Ah" '91
17:トゥルマンジェTurmanye "Huayno Mote" '96
18:ロス・モハラスLos Mojarras "Triciclo Perú" '94
19:ウチュパUchpa "Chachaschay" '2000
 (ウチュパUchpa "Perú Llaqta" '95)
20:ペドロ・スアレス・ベルティスPedro Suárez-Vértiz "Se Que Todo Ha Acabo Ya" '96
 (ウエルガ・デ・アンブレHuelga de Hambre "Identidad" '98)
21:マル・デ・コパスMar de Copas "Suna" '99
 (ラ・リガ・デル・スエニョLa Liga del Sueño "La Peor de las guerras" 2000)
●2000年代以降●
22:リビドLíbido "En Esta Habitación" 2000
23:ヒアン・マルコGian Marco "Resucitar" 2004
24:シマロネスCimarrones "Sereoye" 2006
25:ラ・サリタLa Sarita アルバムMamacha Simonaアルバム前半イントロ流し 2009
26:ラ・サリタLa Sarita "Carnaval" 2009
27:コレクティーボ・シルコ・バンドColectivo Circo Band "Niña Linda" 2010
28:フロール・デ・ロトFlor de Loto "Espejo del Alma" 2014
 (ルビー・パロミーノとロンロネーロRuby Palomino y Ronronero "Sacachispas" 2015)


私自身にとっても、ペルーのロックについてなんとなくのイメージを持っていなかったので、今回のこの企画は非常に勉強になった。英米輸入ロックが自国のオリジナリティを取り込んで意欲的に作られるように変化していった70年代初頭はやっぱり面白いし、実際すごいバンドがたくさん輩出されている。
そして軍政期の断絶を経て80年代は再びアメリカンなロックの輸入・模倣から始まり、90年代、2000年代にかけてそれらの蓄積が再び花開いていった過程が明らかにみてとれて素晴らしい。メインストリームはグローバルな聴きやすい「ロック」人気が圧倒的であるが、コアな土着ロックから定期的に非常に面白いものが出てきているのが非常にペルー的。

会場からは60年代のロックは私の知っているロックではないというコメントや、全部聞いてみてますますロックというものがわからなくなったというコメントも頂いた。実際、ロックというものは時代によって大きく変化してきたし、本流ではないペルーのようなマイナー国での独自の多様性を追っていくと、まさにどこまでがロックなのか、選んでいる方も問い直しながらの作業となった。

それでもペルーにおけるロックという音楽の重要性と、ロックをベースとしたミクスチャー音楽が新しい時代の音楽を常に開拓してきた歴史がペルーにもあるのだということを改めて確認できたのがよかった。ぺぺ・もとを氏も聴きこむにしたがってどんどんテンションが上がってきてペルーのロックの面白さについて熱く語ってくれました。

ペルーらしさが生きてるバンドから、ペルー性はほとんど見いだせないがメインストリームで圧倒的な人気のあるもの、そしてキワモノ的魅力のあるものまでさまざま。今回はロックを主軸に概観したが、他ジャンルがロック的要素を取り込みながら変化していった様と重ねあわせていくとさらにいろいろなものが見えてくるぞという手応えを感じた。

何よりも2000年代に入ってペルーのロックはますますおもしろくなっている。ラ・サリタ、フロール・デ・ロトなどはまさにその代表格。そういった感覚をご来場くださった方々と共有できたのも嬉しかった。

今回は欧米の影響を中心に見たが、アルゼンチンやメキシコ、スペインなどのロック・エン・エスパニョールの影響がペルーのロック・エン・エスパニョールにどのような影響を与えたのかまでは見れなかったのが今後の課題。その辺りをまた加味して見ていけるようにしていきたいと思う。
posted by eLPop at 08:19 | 水口良樹のペルー四方山がたり