1919年イギリス生まれの著名ジャズ・ピアニスト、ジョージ・シアリングは50年代から60年代にかけて、ラテン・リズムを好んで導入した。50年代半ばの本作は、トゥーツ・シールマンスやカル・ジェイダーらとのクインテットによる、ラテンのリズム・セクションをクレジットに欠いた録音だが、エルネスト・グレネー作のキューバ名曲「おやすみネグリータ」で、後にサンタナでも活躍するキューバ人名パーカッショニスト、アルマンド・ペラーサをしっかりフィーチャーしている。
2. キャラバン Caravan / カンディド Candido(1960年 USA)LP『In Indigo』(ABC-Paramount ABCS-236)
ジャズとアフロ・キューバンを結びつける橋渡し役の一人となった、モンゴ・サンタマリアやアルマンド・ペラーサらと同世代のキューバ人パーカッショニスト。70年代にはブルーノートやサルソウルからもリーダー作を発表しているが、これは60年のアルバム。スペインのフレッシュ・サウンド(56年作『Featuring Al Cohn』との2 in 1)などからCD復刻もされている。押し出しの強いパーカッションに、ディック・ハイマンのクレージーなオルガンが相まって“シナジー効果”を発揮する、B級アクション的「キャラバン」。
3. アケージャス・ガビオタス Aquellas Gaviotas / エミリアーノ・サルバドール・イ・ス・グルーポ Emiliano Salvador y su Grupo(1980年代 Cuba)LP『Emiliano Salvador y su Grupo』(Areito/EGREM LD-4240)
セロニアス・モンクやセシル・テイラーに関心を寄せたというピアニストのエミリアーノ・サルバドールは、イラケレの主チューチョ・バルデースと共に、キューバン・ジャズのコンテンポラリー化を先導したパイオニアだ。92年に若くして亡くなっているが、その影響力は現在も変わることなく、チルドレンを生み出している。サックスのホセ・カルロス・アコスタ、ベースのフェリシアーノ・アランゴ、ドラムス/ティンバレスのエミリオ・デル・モンテ、パーカッションのロドルフォ・バルデース・テリーと組んだ自身のグループでの80年代半ば頃と思われる録音から、スピード感あるスリリングな展開のホセ・カルロス・アコスタによるオリジナル。


