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リレー実録:ケ・パソー?¿Qué pasó? 〈4〉軽い足取りの男

2015.04.07

 美しいコートダジュールの海岸線、建ち並ぶグランメゾンのブティック、その堂々たる姿を見せつける5つ星のクラシカルな有名ホテル群、映画祭の頃には女優のたまご達が一縷の望みに賭けてトップレスで闊歩するらしい街、カンヌ。
 わたしは一時期毎年そのカンヌに通っていた。もちろん仕事でだ。しかし、通っていた1月は南仏とはいえ冬。パリに比べれば寒くはないが、日によっては風がビュウビュウ吹いたり雨がザーッと来たりして、ゴージャス感はあまりない。ただ、物価は高めでも店の人も住人達も外国人になれていて、おしなべて感じの良い平均的なサービスが受けられるのは良いところ。そして、地図を見ればわかるのだが、イタリアが近いのでとても美味しいイタリア料理が食べられることも美点。創業100年以上の素晴らしいデリカテッセンがあること、しけたホテルでも朝食のクロワッサンは毎日焼きたて、カフェのサラダは山盛りで美味しい、と「食」についてはいいことずくめの街。

 さて、そんな素敵なカンヌでわたしは4日間で体重が2キロ減るようなハードなスケジュールをこなしていた。その日もクタクタになって、仕事の会場パレ・デ・フェスティバルからホテルまでの道をとぼとぼと歩いていた。その時、こちらに向かって歩いてくる細身のまあまあ若く顔の幅の狭い男。フットワークが軽い。ダンスでもやっていそうなすごくスタイリッシュな歩き方。
「あれ、誰だっけ。わたしはあの人を知っている」
仕事で何十人もの人に会うので「絶対知り合い」だと思ったのだが、名前と会社名が思い出せない。男はどんどん近づいてくる。
「え〜と。まあ、笑って挨拶だけしておこう」と思い、すれ違う間際に笑顔を作りかけたら、相手はちょっと妙な表情に。
 
 その瞬間わかった。

 知り合いじゃなかった。
 その人は、その夜兄マイケルと共にショーケースに出演する「The Bacon Brothers」のケヴィン・ベーコンだった。と言うよりも、『フットルース』の人と言ったほうがわかりやすいか。ミュージシャンとしてでなく俳優として有名だ。初めてすれ違ったハリウッド・スター。

 まあ、それだけの小粒な話な上に、ラテンとは何の関係もないわけですが、ケヴィン・ベーコンは今や代表作がたくさんある名優。『ワイルド・シングス (Wild Things)』、『ミスティック・リバー (Mystic River)』、『秘密のかけら (Where the Truth Lies)』、『狼の死刑宣告 (Death Sentence)』など、好みが分かれるパンチ映画だけど、面白いですよ。
最近、彼が主演の『フォロイング (The Following)』というドラマにはまったので書いてみました。

 ちなみに、「The Bacon Brothers」のショーケースには行きませんでした。
 すんませ〜ん!
posted by eLPop at 20:32 | 高橋めぐみのSOY PECADORA