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◆3/10 eLPop Party 伊藤嘉章のかけた曲

2015.03.19

今回は「歌」にこだわるプエルトリコに「クール」と「ホット」のキーワードを置いて選曲。

1. ピエル・カネーラ Piel Canela/ティト・ロドリゲス Tito Rodriguez (1955年、プエルトリコ/ニューヨーク) LP "Mambo Maddness"(Tico LP1004)

1923年プエルトリコのサン・ファン 生まれ。30-40年代のボレロの甘さとボヘミアなクールさ、ニューヨークならではのスピード感がティト・ロドリゲスのマンボ時代の人気を決定づけた。ヴェルヴェット・ボイスの彼をお手本とした歌い手は数知れず、彼にあこがれバンド・ボーイとなりチャンスを得たチェオ・フェリシアーノからヒルベルト・サンタ・ロサへと系譜は続く。ボビー・カポ作のヒット曲のチャチャチャはニューヨークらしく、彼ならではの抑制が絶妙。

2. ソブレ・ウナ・トゥンバ・ウナ・ルンバ Sobre Una Tumba Una Rumba/ パキート・グスマン Paquito Guzman (1981年 、プエルトリコ)LP"Gran Senor" (TH 366)

ティト・ロドリゲスより一回り若いパキート・グスマンはサンファン生まれ。ジョー・キハーノやマリオ・オルティス楽団を経て、トミー・オリベンシア、そしてソロ活動も挟みつつ現在もオリベンシア楽団などで活躍している。河村要助さんは「心の湖に小石を投げる紳士」という素晴らしい表現をされているが、聴き手に言いようのない不安感と切迫感の種を生み出す熱情が最大の魅力。

「クール」なプエルトリコの歌い手の魅力の一方、「ホット」さの方には、「歌い切ってしまう」感覚と言うか、身体に迫ってくる圧迫感というか共通したものがあるように思う。アンディ・モンタニェスの強い歌声、マーク・アンソニーのこめかみの血管が切れそうな切迫感とか、ある種”暑苦しさ”でもある。これが哀感を伴うボレロでは決定的な凶器になるのだ。

3. アマダ・ミア Amada Mia /チェオ・フェリシアーノ Chao Feliciano (プエルトリコ/ニューヨーク、1980年) LP"Sentimiento, tu.." (Vaya 0798)

3人目は再び「クール」に。1935年にプエルトリコのポンセに生まれのチェオ。昨年亡くなった時に追悼を書いたので、バイオなどは http://elpop.jp/article/96601941.html をご覧ください。ルベン・ブラデスから最近の若手までチェオは影響を及ぼしている。


◆おまけ:eLPopメンバーが一通りかけ終わってのフリータイムにかけた曲。

4. ペルフメ・デ・ロサ Perfume de Rosa /コルティーホ・イ・ス・コンボ Cortijo y su Combo (プエルトリコ) LP "Bueno, y Que..? (Gema)

プエルトリコの歌い手をかけるなら落とすわけにいかないイスマエル・リベラ。強烈なスィング感。「熱い」が「暑く」はないやわらかさやしなやかさが「ソネロ・マジョール Sonero Mayor」と称されるゆえん。

5. ア・ロス・ムチャチョス・デ・ベレン A los muchachos de Belen /ペジン・ロドリゲス Pellin Rodriguez (1976年、プエルトリコ) (LP “Aventurera” Borinquen ADG

最後にかけたペジン・ロドリゲス は、言うまでもなくエル・グラン・コンボでアンディ・モンタニェスと共にフロントを張った、ボレロを歌わせたら天下一品の歌い手。やはり「歌いきる」ような強力な歌い方。「暑い」方に入れたい。

ティト・ロドリゲスより3つ若いがほぼ同世代。やはりサンファンの生まれで、コンフント・モデルナやモンチョ・ウセラ楽団からノロ・モラレス、ザビア・クガート、ホセ・クルベロの楽団などティトと同様のキャリアを通り、ティト・プエンテ楽団を経てグラン・コンボに。ボレロ集のコンピはいまだに島の定番。

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